ぐうう~
お城を抜け出したところで、花帆のおなかがSOSを鳴らした。
あうう・・・
あれ、もうそんなに経ったっけ。
珍しく悩み事なんてしたからかなぁ。 はずかしいよ~。
何年一緒にいるのよ。 花帆は変なところで乙女だよね。
もー、恥ずかしいってば~。
そういえば、結構お城の中にいたよね。
そうかも。 結構歩き疲れてきたよね。
朝から歩きっぱなしだもんね・・・。
あさ、から?
どうしたの?
ポケットからケータイを取り出して、時刻を見る。 デジタル時計は午前2時だ示している。
午前2時・・・。 ここに来てから4時間たってるのに、太陽の位置が変わってない。
この世界は、もしかしたら時間が止まっているのかも・・・。
ほんとだ・・・ずっと明るいまんまだもんね。
でもさ。
うん?
だからって、なんでもないよね。
・・・そうかも。
北星の方角を向いて街を出ると、ここに来るまでと同じように轍の残る道が続いていた。
あ、もう見えてるんだね。
木々の向こうに目を凝らすと、天高くそびえたつ塔のシルエットが見えた。
わー、おっきいねえ。
そういえば花帆。 なんであの手紙は、鏡文字だったんだろう。
英語は世界の標準語だからわかるけど、鏡文字にしたら読みづらいよ。
うーん・・・おばあちゃんは誰かに読まれたくなかったのかも。
それとも、鏡文字は何かのヒントだとか?
ヒント・・・。
鏡文字といえばダ・ヴィンチだよね。 万能の天才、最後の晩餐、モナ・リザ・・・。
最後の晩餐は宗教画。イエスと12人の使徒、それからユダ。 モナ・リザはモデル不明な女性のバストアップ。
なにか関係あるのかな・・・。
祐美って勉強もできるけど、豆知識も結構すごいよね。
そうかな?
おうともよー。
でも、鏡文字には何か意味があるんだと思う。
塔・・・。 ちょっとイメージとは違ったかも。
これは日本の塔、だよね。 中国にもこういうのはあるのかな?
たぶんあるよね。
まあ、入ってみようか。





