『第5幕 鐘の音は暁と夕暮れに鳴る。』

ぐうう~

お城を抜け出したところで、花帆のおなかがSOSを鳴らした。

あうう・・・

あれ、もうそんなに経ったっけ。

珍しく悩み事なんてしたからかなぁ。 はずかしいよ~。

何年一緒にいるのよ。 花帆は変なところで乙女だよね。

もー、恥ずかしいってば~。

そういえば、結構お城の中にいたよね。

そうかも。 結構歩き疲れてきたよね。

朝から歩きっぱなしだもんね・・・。

あさ、から?

どうしたの?

ポケットからケータイを取り出して、時刻を見る。 デジタル時計は午前2時だ示している。

午前2時・・・。 ここに来てから4時間たってるのに、太陽の位置が変わってない。

この世界は、もしかしたら時間が止まっているのかも・・・。

ほんとだ・・・ずっと明るいまんまだもんね。

でもさ。

うん?

だからって、なんでもないよね。

・・・そうかも。

北星の方角を向いて街を出ると、ここに来るまでと同じように轍の残る道が続いていた。

あ、もう見えてるんだね。

木々の向こうに目を凝らすと、天高くそびえたつ塔のシルエットが見えた。

わー、おっきいねえ。

そういえば花帆。 なんであの手紙は、鏡文字だったんだろう。

英語は世界の標準語だからわかるけど、鏡文字にしたら読みづらいよ。

うーん・・・おばあちゃんは誰かに読まれたくなかったのかも。

それとも、鏡文字は何かのヒントだとか?

ヒント・・・。

鏡文字といえばダ・ヴィンチだよね。 万能の天才、最後の晩餐、モナ・リザ・・・。

最後の晩餐は宗教画。イエスと12人の使徒、それからユダ。 モナ・リザはモデル不明な女性のバストアップ。

なにか関係あるのかな・・・。

祐美って勉強もできるけど、豆知識も結構すごいよね。

そうかな?

おうともよー。

でも、鏡文字には何か意味があるんだと思う。

塔・・・。 ちょっとイメージとは違ったかも。

これは日本の塔、だよね。 中国にもこういうのはあるのかな?

たぶんあるよね。

まあ、入ってみようか。

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公開日 2012/09/22 02:13 再生回数 9

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