うちの学校の図書館って、意味もなくメチャメチャでっかいよね~。
魔道書から軍の正式採用銃の組み立てマニュアルまで、なんでも・・・あるらしいわよ。
便利でいいね~。
もしかして少女マンガとかも、あったりして・・・。
マンガならオレも読みたいな。
おい、あそこ本当にマンガコーナーがあるみたいだぞ。
ちょっとだけ見に行かない?
みんな好きだね~。
待ってくれ、みんな。
オレたち・・・ここに試験勉強をしに来たんじゃないのか・・・?
我門はほんっと~・・・に、空気読めない子だよ! このメガネ委員長!!
いや、オレ・・・本当にクラス委員長だしな。
え? 我門くん、委員長だったの?
知らなかった!!
でも、クラスの決め事とか多数決するときに、我門がいたことってあったっけ・・・?
委員長っぽい仕事してるの、見たことない・・・ような。
オレですら、はじめて聞く設定だぞ。そんな情報は。
それは・・・おまえらのせいで、いっつも魔物退治を押しつけられてるからな。クラスの会議なんか、ロクに出れたこともねえよ。
我門くんが委員長、っていうのは・・・本当。
いつもはボクが、かわりに議長とかをやってるんだよね。
それマジビックリ情報だわ~。
一円の得にもならねーけどな。
いいから教科書を開け、おまえら。 各自の得意な教科を教えあうんだろ。
私、英語ね。
私、現代文できるよ~。
数学・・・。
霧雨さん、数学なんだ。意外だな。
け、結界とか・・・幾何学だから、そういうの・・・自然に、ね。
私は古典だよ~。
オレ、科学な。
科学、って・・・意外だね。 女遊びとか、そういうのが得意科目だと思ってたよ。
こう見えても、電気系とか強いんだぜ。なにしろ電精使いだしな。
ボクは物理かな。
我門は? エロ系保健体育?
社会だよっ!! なんなんだよっ、エロ系保健体育ってのはよ!
待てよ待てよ。オレら的にはさ、保健体育って大事だろ。
魔物と戦ってケガしたり、とかよくあることだしな・・・。
応急処置ぐらいは、知っておいたほうがいいよね。
保健体育って、誰が詳しいんだ?
我門じゃないなら・・・私?
赤兎ちゃんは、心法活殺自在拳の使い手だもんねっ。
人間・・・ひとつぐらいは、とりえがあるものなんだな・・・。
ちょっと我門、オモテに出なよ! 神速羅刹五臓把手で臓器の位置を教えてやるから!
まあまあ。今日は勉強、勉強ね。
試験が終わったら、血の一滴が枯れるまで勝負するといいよ。
血といえばさ・・・知ってる? 二階のところにある、あの石像って・・・血の涙を流すらしいよ。
そういうくだらない話は、あとにしてくれないか。それより如月。おまえ、得意科目ってないのか・・・?
いや・・・その、えっと・・・血の涙の話、本当らしいぜ。他にも、勉強してると動き回る石像が出てくる、とかさ・・・。
ケーケッケッケ・・・! 人間ども、我の支配する領域によく来たな・・・。
勉強の邪魔すんなっ!! 我の瞳に宿る魔力を浴びて滅びよ! ────滅皇波魔眼っ!