宇宙。
それはまだ多くの謎に満ちている未知の世界。
そう、つまり何が起こっても不思議ではないのだ。
何が起こっても…。
昴「つまり、俺を襲ったのは星座から生まれた怪物って訳か…。」
???「そう。」
???「因みにあれは蜥蜴座から生まれた怪物。 だから大きな蜥蜴に似た姿をしていたの。」
昴「成程…。」
昴「しかし…。 どうして星座からあんな怪物が生まれるようになったんだ?」
???「それは…。 私にも分からない。」
???「ただ一つ言える事は、
奴らは人間を襲う。 理由は分からないけどね。」
???「だから倒すわ。 人間に危害を加える前に。」
昴「…………。」
???「…何?」
昴「いや、かっこいいなぁと思ってさ。」
???「かっこいい?私が?」
昴「だって、そんな怪物達からみんなを守る為に戦うなんて誰にでも出来る事じゃないと思うよ。」
昴「それも、人知れず。」
???「……………。」
昴「なんか、ヒーローみたいだなって。」
???「……そんなにいいものじゃないわ。」
???「それに、レオスが居なければ私は戦えないもの…。」
昴「レオス…? もしかしてさっきのライオンの事?」
???「そう、あの子が私の戦う力。」
???「獅子座の力よ。」
昴「獅子座…!? ってことはあのライオンもさっきの怪物達と同じってことか!?」
???「確かにそうだけど、少し違うわね。」
昴「少し…違う?」
???「レオスは12星座の内の一つなの。」
昴「12星座って、星座占いのアレだよな?」
???「そう。」
???「私はさっきの蜥蜴の前にも鶴座の怪物と戦ったの。」
???「突然異形の怪物に襲われてもう駄目だと思ったわ。」
???「でもその時、レオスが現れたの。」
???「そしてレオスは怪物を退かせると私にあるビジョンを見せたの。」
昴「ビジョン?」
???「そう。」
???「宇宙の彼方から真黒な光が地球に降り注いでいるの。」
???「やがてその光は散り散りになって世界中に広がっていった。」
???「そしてその直後に今度は真っ白な12の光が地球に落下していった。」
???「その中にはレオスの姿があったわ。」
???「そしてそのビジョンを見せた後レオスが頭の中に直接語りかけてきたの。」
???「私は獅子座のレオス。 少女よ、どうか私と一緒に戦って欲しい。ってね」
???「レオスによれば、あの黒い光がさっきの怪物達で真っ白な光がそれを追って来た12星座達らしいわ。」
昴「ってことは、まだほかにもレオスの仲間達が居るってことか。」
???「そうね。」
???「だけど12星座が地球にとどまる為には人間の体が必要らしいの。」
???「それで私はレオスと共に戦う事にした。」
昴「12星座の依り代になったってこと?」
???「まぁ…そうね…。 分かりやすく言えば、 ウルトラマンと一体化したようなものかしらね。」
昴「納得。」
???「レオスが教えてくれたのはこれだけ。」
???「これが私の知る限りの真実よ。」
昴「分かった。ありがとう、えーと………獅子堂さん。」
響子「響子でいいわ。」
昴「ありがとう。響子さん。」
響子「私は聞かれた事を答えただけ。 お礼なんていいわ。」
響子「それに、今はゆっくりと話も出来ないようだしね。」
昴「ッ!?(この感じ!!)」
響子「出て来なさい!!」
(バサッバサッ!!)
怪物「クエエエエエエエエエエエエ!!!!」
響子「やっぱり…あのとき退けた奴ね。」
昴「怪物の羽に…星座が浮かび上がってる…!」
昴「(それに…なんて禍々しい色なんだ…)」
響子「怪物を現すシンボルみたいなものね。」
昴「アレが…。」
響子「この前は逃げたけど、今度はそうはいかないわ。」
昴「!!ここで戦うの!?」
響子「大丈夫…すぐに決めるわ!」
怪物「クエエエエエエエエエエエ!!!!!」
(バサッバサッ!!)
昴「来た!!」
響子「レオス!!お願い!!!」
(キュイーーーーーーン!!)
レオス「グオオオオオオオオオオオオオオッ!!」
怪物「クエ!?」
響子「レオス!!」
レオス「グオオオオオオオオッ!!
(ジャキンジャキン!!)
(ドサッ!!!!)
怪物「クエ…エ…」
昴「凄い……。」
昴「これが…12星座の戦い…。」
響子「ありがとうレオス。」
響子「じゃあ、この星座を宙へ帰してあげて。」
レオス「(コクン)」
(キュオーーーーーーーン)
響子「お疲れ様。ゆっくり休んでね。」
(シューーー………)
昴「今のは?」
響子「あいつ等は倒されると小さな玉になるの。」
昴「それってもしかして…星?」
響子「そう。 正確には星の光ね。」
響子「そしてこれを元にあった場所へ帰せるのは12星座達だけなの。」
昴「そうなのか…。」
響子「じゃあ、私は帰るわね。」
昴「あ…うん。気をつけて。」
響子「ええ。貴方もね。」
響子「一度襲われたから二度目は無いってわけじゃないから。」
昴「うん。分かった。」
響子「じゃあ。」
昴「……またね。」
響子「…………。」
響子「ええ。また。」
昴「……………。」
昴「12星座と怪物の戦いか…。」
昴「どうなるんだろうな…一体…。」
昴「って、もうこんな時間かよ!」
昴「俺も帰らなきゃな。」
(タッタッタッタッ…)
(バタン!)
…………………
???「クケケケケ……」
続くかも。