“先輩と後輩”

よー、後輩君。

先輩、お疲れ様です。

なんだ?課題でもやってるのか?

はい、大量に課題が出たのでここでやっちゃおうと思いまして。

えらいなー、後輩君は。じゃあ、今日はオセロやろうか。

・・・あの、俺の話し聞いてました?俺、課題やってるんですけど。

後輩は先輩の遊び相手になるものだぞ。

聞いたことありませんよ!

じゃあ、今日から覚えておけ。

笑顔でさらっと言ったよこの先輩!

いや、ほんとにこの課題終わらせないとまずいので勘弁してくださいよ。

なんだとー!

あーそーべーよー!

駄々っ子ですか。少しは我慢してくださいよ。

誰のおかげでこの部屋が使い放題だと思ってるんだ!

そりゃあ、先輩のおかげですけど・・・

そもそも、僕は無理やりここに連れてこられたわけで・・・

もうー、後輩君はツンデレだなー

どうしてそうなるんですか・・・

だって、なんだかんだ言いながらずっとこの部屋に来てくれてるんだから。

私はそれが嬉しいよ。

そ、そんな真っ直ぐに言わないでくださいよ・・・

あ、赤くなった。可愛いな、後輩君は。

あー、もー、このページだけ終わらせたらオセロでも何でもやりますよ!

やった!後輩君、愛してる!

はいはい・・・

そうだ、今日のお昼休みのことなんだが、聞いてくれないか?

あー、何ですか?告白でもされましたか?

うん。告白された。

・・・・・・えっ?

いきなり、屋上に連れてかれてな。それで「ずっと好きでした。付き合ってください」と言われたんだ。

・・・それで、先輩は何て答えたんですか?

私はあなたのことを知らないので無理です、と答えた。

それはまた、正直に言いましたね・・・

今年に入ってこれで4回目だ。

さすがは学園でも五本指に入るほどの美少女ですね。

び、美少女とは恥ずかしいな。

だが、話したこともないような奴に告白されても全然嬉しくないんだ。

それに、大体の奴が私の体目当てみたいだしな!

いや、何でそんなことわかるんですか?

大体が私の胸を見ながら告白したからだ!

・・・それはわかりやすいですね。

はぁー、もう後輩君付き合ってくれよ。

私は後輩君の事好きだぞ。

いやいやいや、それ告白してくる奴がめんどくさいからですよね!

俺を虫除け代わりにしないでくださいよ!

そんなことはないぞ。私はこの一年、後輩君のことは見てきたし。

それに、私の事も一年間、後輩君は見てくれていただろ?

それは・・・まぁ・・・

後輩君は、見た目と違って、真面目で誠実で芯のある奴だ。

時々、おかしくなるけどな。

前のいいセリフ台無しですよ。

だから、改めて、好きだ。付き合ってください。

・・・・・・俺、そんな頭良かったりスポーツできたりしないですよ?

クラスでも人気者ってわけでもないし、これといった取り得もないですけど・・・

後輩君は私のそばに居てくれた。

私は何でも出来る完璧な彼氏が欲しいわけじゃない。

私と一緒に居てくれた、後輩君が欲しいんだ。

先輩・・・

あの、さすがに私も恥ずかしいんだ。答えをくれないか?

・・・こんな俺でよければ、よろしくお願いします。

うん・・・

じゃあ、あの・・・

オセロするぞー!

はいはい、わかりましたよ先輩。

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Posted at 2012/10/24 23:23 Viewed 17 times

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