ここはおなじみ・・・。
────オセ!! 出かけるぞ、仕度しろ!
おやおや? いつもより、ちょーっとばかり古いお話みたいだぞ。
お、お待たせいたしました。 総統閣下────。
よぉーし・・・今日もサクッと済ませるとするか。
またいつもの────妖魔界の街を荒らす小者掃除ですか?
おうよ!! あいつらほっとくと、ロクなことしねえからな!
あ、あの・・・総統閣下。
ここには、私より腕の立つ連中がたくさんいるのに・・・。
どうして・・・私みたいな小娘を同行させるんですか?
男やもめが遊びに行くんだぜ。
お供は若い娘って、相場が決まっているだろうが!
ぱぱー!
お、お嬢様・・・。
ぱぱ、ずるーい! またオセと遊びに行っちゃうの~?
遊びじゃねえよ!
パパはお仕事に行くんだ。 オセは、その手伝いさ・・・な!
え、ええ・・・。
お土産に、また新しい子分を連れてきてやるから・・・イイ子にしてるんだぞ!
お城が子分だらけになっちゃうよ!
にぎやかでいいじゃねえか!
なあ、オセ!! おまえもそう思うだろ!
あの人は、そうやって────
行き場をなくしたはぐれ者を集めることで、妖魔界を魔界で一番の勢力に育てあげ────
いつも笑っていた、あの人は────
・・・オセ! 聞いておるのか、オセってば!
オセ!! オセってば!
・・・え? あ・・・は、はい!
も、申し訳ありません・・・。 総統閣下。
しっかりしてもらわねば困るぞ。
は、はい・・・。
なにしろオセは、このエビルレヴォリューション軍団のナンバー2なのだからな!
光栄に存じます! ゴーゾムソドーム!
・・・して、会議の続きだがな。
こやつら二人の失態・・・いかように処分すべきかのう。
あ、あわわわ・・・。
お、お許しください・・・閣下!
オセの意見を申せ!
ご安心ください、総統閣下。
どうやら中途採用と新入社員では、その・・・魔法少女とやらの相手は荷が重かったようです。
次はこの・・・先代様の直属を務めたペインオセロットが・・・。
人間の魔法少女をむごたらしい姿に変えてやりましょう!
うむ! オセの働きには期待しておるぞ!
フッフッフーンフフーン♪
ムッフッフーン♫
この時期の朝は冷えるなー。
お、来た来た・・・。
最近の小学生は発育いいなー。
朝から、小学生ウォッチングしてんじゃねーよ、この・・・エリート犯罪者予備軍は!
いやでも、日課だし・・・。
そんなくだらねーこと、してるヒマがあるんなら・・・。
たいへんじゃー!!
やばやばやばや・・・ヤバイッスよ! 激ヤバマジヤバッスよ!
まあ、二人とも落ち着いてね。
・・・というわけで、ボクらの上司がですね。
あのBBAマジうぜぇのよ。
いい年して結婚もしてないくせに、若い子ネチネチいじめたりとかさ。もぉ、バリムカよー。
私の同期の子なんか、みーんな辞めていっちゃってさ・・・。
ナニ世間話してるのよ、あなたは。
い、いや、そ・・・こっ、こ、これ、コケっ・・・コケッコー!
それで? どこにいるのよ、魔法少女は。
こ、ここっ、ここにっ・・・。
こっ、こップァ・・・この人、が。
え?
えっ・・・!?
・・・オセ。 おまえは娘を連れて逃げろ。
イヤです!! 私も、総統閣下と一緒に────。
ダダをこねるなよ。 イイ女は男を困らせないもんだぜ。
それによ・・・女房が死んでから、頼れる女はおまえしかいねえんだ。
そんな言い方・・・ズルいです。
娘を頼むぜ、オセ────。
あ、う・・・嘘、でしょ・・・。
何が?
総統閣下ぁーっ!!
BBA無理すんなぁーっ!?
いけないっ!! ガチロリの岩田さんが・・・!
年増女に抱きつかれて、泡ぁ吹いて・・・ブッ倒れやがった・・・。
ダメだこりゃー。
あの・・・落ち着きましたか?
ごめんなさい・・・少々取り乱してしまって・・・。
何か、えっと・・・総統閣下とか、おっしゃってましたけど。
先代様と・・・ね。 そっくり、というか・・・。
あの・・・ちょっといいかしら。
どうなさいました?
あの人と・・・二人きりで話したいことがあるの。
愛憎渦巻く怨怒の川を 恋で渡って、乙女の描く ・・・地獄絵図!!
トランペットの旋律で 生命を刈り取る、死のバラードが ・・・鳴り響く!!
次回! 魔法少女岩田源十郎四十四歳 『働きたくないでござる!!』 ──廃神のキミも、お楽しみに!!