『とらいあんぐる! ~授業中での愛情表現~』

お昼も過ぎ、午後の授業を開始する学校。

ロク。

……うん、分かってるよ……。

相変わらずサツキはロクの膝の上に座って授業を受ける、教科書を見せてもらうという理由があってだ。

……そんな二人を見て嫉妬の炎を燃やす少女が一人。

(ムッカーッ!!あの女わざとやってるんじゃないでしょうね!!ロクも何で断らないのよ!!)

(凛が睨んでくる……そんなぁ、僕が悪いの?)

ロク、次のページに進んだの。

え?あ、はいさようですか……。

ロク、元気が無いの。調子でも悪くなったの?

いや何でもないよ……うん。

(そりゃ調子も悪くなるよ……だって背後から刺す視線とサツキの柔らかい感触が同時に襲ってくるんだよ!?身が持たないよ……)

大丈夫?頭を撫でるの。

わわ!?ちょっとサツキ……!?

頭を撫でられると気持ちが落ちつくの、安心して撫でられるといいの。

う、うん……。

(ジトーーーーーーーーッ)

(ああああぁぁ……凛がマジで切れる5秒前になった……)

それに……頭を撫でる行為には愛情が含まれるの……これは私がロクの事を好きだと言っている様なものなの。

えっ!?

っ!!!

っ!!!!

な、何だってえええええええぇぇえぇぇぇ!!!!???

サツキの爆弾発言にクラス一同の叫び声が午後の学校に響いた……。 ちなみに授業中である事を忘れてはいけない。

そして休み時間……。

ロークー!!

ひいいいぃぃぃぃ!!や、やっぱり来たあああぁぁぁ!!!

何アンタはあの女のされるがままになってるのよ!!断ればいいだけじゃない!!

そ、そんな事言われても……!! だってサツキ柔らかくていい匂いだし……。

へぇ……?そんな事言っちゃうんだ……?

え!?あ、しまった口が滑った!!

成敗!!

あべし!!

うぅ……本当に殴る事無いだろう……。

何大げさに言ってるのよ、ちょっとはたいただけじゃない。

凛のちょっとはちょっとじゃ済まないんだよ、本当に凶暴なんだから……。

じゃあ……リクエスト通りにグーで殴ってあげようかしら……!?

ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!嘘です!!冗談です!!

全く……私だからいいものを……サツキとか他の人に間違ってもそんな事言うんじゃないわよ?

気をつけます……。

何で私とかに言ってはいけないの?

っ!?あ、アンタいつの間に……!

教えて欲しいの、素直に思った事を言うのはいけない事なの?

そりゃあ……そうでしょうよ、素直になる事は悪くないけど思った事をダイレクトに伝えるのは……時と場合によるわ。

例えば貴女の親が亡くなって『お前の親死んだんだって?良かったな!』とか言われたらどうする?

……物凄く嫌な感じなの。

これはあくまで例えよ、素直になる事はいいけど時にはその素直さが相手を傷つけるという事を忘れてはいけないのよ。

目の前には素直になれない人が居るの。

何で急に私の話になるのよ!!

でもさっき凛は『私以外の人に言っては駄目だ』と言っていたの……それは何で?

それはロクとは結構長い付き合いだしね、もう慣れちゃってるのよ。

……これよろこんでいいのかなぁ……。

何が?

いえ何でもないです……。

……とまあこういうやり取りも長く続けてるからね。

……付き合いが長いと普通ではちょっと傷付けてしまう言葉も許せる……?

まあ程度にはよるけど……基本的には許しちゃうわね。

……私に言ってはいけないというのは……付き合いが短いから……?まだ親密な間柄じゃないから……?

……ちょっと?サツキ?

……寂しいの……。

ちょ、ちょっと待って!! そんなに焦らなくてもいいんじゃないかな?

だって今日転校してきたばかりなんだしねぇ……。

でも今日から私達と過ごせばいいだけの話でしょ?

……。

……何よその意外そうな表情は。

貴女から言われるとは思わなかったの。

それどーゆー意味よ!!

まあまあ……でも凛の言うとおり今日出会ったばかりなんだし……ここから仲良くしていこうよ……。

ロク……。

(ロク……貴方とは……今日初めてじゃない……の、本当は……)

……サツキ?

……何でもないの、分かったの。 今日からロクのハートをキャッチすう為に行動を開始するの。

えっ!?

ちょっとまったぁ!! 何言ってるのよアンタは!!

ロクは私が貰っていくの、その為には私を意識してもらう為に毎日膝に座って頭を撫でるの。

そんな事許さないわよ!! 私ですらロクに頭を撫でたことも無いのに……!!

えっ!?

あ……! い、いや違うの!これはその……。

凛……まさか僕の頭を撫でたかったの……?

ち、違うって言ってるでしょ!! だからつまりその……。

頭を撫でるのは愛情表現の一つなの、凛は素直じゃないからはっきりと言えないの。だから私が凛の分までロクを撫でるの。

サツキーッ!!! アンタよくも言ったわね!!

本当の事を言われて逆切れしたの!!でもロクに対する照れ隠しとして私を追い回そうとしているの!!

んな事を実況風味に言わなくていい!!

ここは逃げるが勝ちなの。

逃がすかぁ!!待てぃ!!

……もう十分に仲良くなってる気がするんだけどなぁ……。

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公開日 2012/12/03 00:51 再生回数 10

作者からのコメント

昼休みも終わり午後の授業を受けるロク。その時サツキがロクの頭を撫で始める、頭を撫でるのは愛情表現と言うサツキを見て凛は……。「とらいあんぐる! ~授業中での愛情表現~」

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