皆様こんにちわ。 日本一不幸な少年、幸村です。
こらそこ、「幸せ」の漢字が入ってるからと言って嘘だとは思わない。
信じられない? 仕方ない……話をしよう、ここ最近俺の身の回りに起きた話を。
そう、あれは朝……俺が気持ちよく眠っていた時だ。
は・や・く!! 起きなさーい!!
何だ何だ!? 朝っぱら何が起きた!?
やっと起きたわねこの寝坊助が……。
誰かと思えば璃奈か……。 どうしたこんな朝から早くに。
どうしたもこうしたも!! アンタが自分一人で起きられないから起こしに来たんでしょうが!!
何だよ!! だったらあんなに大きな声で叫ばなくてもいいじゃねぇか!!
へぇ~? 「俺はちょっとやそっとじゃ起きれないから怒鳴るなり殴ったりして起こしてくれー」と泣きついてきたのは誰かしら?
嘘ですごめんなさい。 一言一句、全部俺が言ったことです。
全く……私だってアンタの事を殴ったり、怒鳴ったりする事なんて……本当はしたくないわよ……。
ん?何一人でぼそぼそ喋ってんだ?
な、何でもないわよ!! 早く準備しないと学校に遅刻するわよ!!
今すぐ準備します!!
……と、まあこんな感じだ。 これは朝の不幸の出来事……はぁ……。
そう、あれは学校に登校している時だったな。
ねむー、だるー。 学校に行きたくなーい。
ほら!いつまでボーっとしてるのよ!! シャキッとしなさい!!
そんな事言われても……人間の三大欲求の一つである睡眠には抗えないぜ……。
ふ、ふーん……じゃあ私がアンタの目を覚まさせてあげる……。
お?そうか? んじゃ頼むー……。
じゃ、じゃあ……ちょっと目を瞑ってなさい。
おうよー。
……これでいいか?
……そうよ……触れるだけ……い、いやでもここは深く……。
(?何を言っているんだ?)
せーんーぱーいー!!
ん?この声は……うごっ!?
ちょ、ちょっと!? 幸村!?
せんぱいー!! おはようございますー!!
いてて……何だと思えば美都じゃないか。 いきなり後ろからタックルするのは止めてくれ……。
ごめんなさーい。 でもせんぱいの姿を見たら嬉しくなってつい……。
いや、でもおかげで目が覚めた。 ありがとさん。
……わ……わわわ……。
せんぱいに褒められたー!! やったー!!嬉しいー!!
お、おう……。
……。
(納得いかない!!)
(な、何だ璃奈の奴……怒ってる?頼むから仲良くしてくれよ……面倒事に巻き込まれたくない!!)
いやーまさか後ろからタックルされるとは思わなかったもんだ。 朝より酷い目にあったぜ……。
実はまだあるんだ、あれは学校に着いた時だな。
幸村。
ん?おお、聖菜じゃないか。
……。
……どうした?
……幸村は分かってくれない……悲しい……。
え!?何!? 俺何か悪い事した!?
……挨拶……。
え?あ、ああ……おはよう……? こ、これでいいのか……。
……おはよう……。
……行っちまった……。 何だったんだ……?
(さりげなく幸村の手を握ってたわ……やるわね)
(緊張した!緊張した!!幸村君に挨拶してもらえたし手も握る事も出来た!!)
(……)
(……えへ……えへへ……)
聖菜だけは無表情だから何考えてるのかさっぱり分からん。 というか気まずい。
そして廊下……この時は本当にえらい目にあった……。
やあ!!ユッキー!! 今日も冴えない顔してるね!!
うわ出た……変人・佳菜美。 今日は大好きな実験をしていないのか?
いやねー、今回の実験はちょっと私一人じゃ難しくてさー。 ちょっとユッキーに手伝ってもらおうと思ってね。
絶対に嫌だ!! お前の実験に付き合って碌な目にあった事が無い!!
良いではないか良いではないか!! 怖くないから着いておいで、お姉さんが優しくしてあげるから。
止めろー!!死にたくなーい!!
こら!!嫌がってる人を無理矢理連れて行こうとしない!!
あら、璃奈さんじゃないか。 空気過ぎて全然気づかなかったよ、ごめんね。
空気って言うな!!
と言うかこれから朝のHRよ!! 出席取れなくてもいいの!?
我が崇高なる実験と学校の出席……大切なのは実験の方なのさ!!
だ、駄目だコイツ……早く何とかしないと……。
とにかく!幸村はこれからHRに出席するの!! アンタと付き合ってる暇はないんだから!!行くわよ!!
お、おう……って腕引っ張んな!!
逃がさん!!
聖菜!?お前もかよ!?
手を放しなさいよ……!!
いーや! これは絶対に譲らないからね、ユッキーと私はこれから実験に行くの……!!
幸村は私と一緒にHRに出席するのよ……!!こっちだって譲れないわよ……!!
痛い痛い痛い!! お前ら腕を引っ張るんじゃねー!! 離せ!!頼むから離してくれ!! このままじゃ腕が……。
止めろー!!死にたくなーい!! 腕がー!!あーっ!!
……いやはや本当に酷い目にあった……。 あの後運良く先生が通りかかったから良かったものの……。
とまあ、これだけ不幸があったが恐ろしい事にこれ朝起きた出来事何だ。
昼の時なんて……はぁ……。
だが、ここまで話して君は俺が不幸少年だと分かってくれたはずだ。
……誰か助けて……。