よーし、今日も学校終わり!! 帰るぞー!!
翔君、翔君。
おお、彩じゃないか。 どうした?学校の廊下で立ってて……。
一緒に帰ろう。
ああ、帰ろうか。
……ん。
そういえば思ったんだけどさ。
何?
いやさ、夕焼けの風景を見ていると何というか……切ない?とか、寂しい?とか思ってさ……。
朝日は一日の始まり、夕日は一日の終わり、当たり前に過ごしている一日の終わりを見てしまうと時間の流れを嫌でも感じてしまう……そこから寂しい・切ないと思ってしまう。
詳しいなお前!!
解明はされていないから本当かどうかは分からない、でも私はそう思う。 だって今日も翔君と過ごせる一日が過ぎちゃった。
へぇ~……って何か俺の名前が入ってた気が……。
気のせい。
さようですか。 じゃあ帰りましょう。
そうしましょー。
……何なんだ?そのポーズは。
特に意味は無い。
なるほど、分からん。
……しまった、今日は家に親が居ないんだった。晩飯買っていかないと……。
問題ない。
問題ないって……どういう事だ?
今日は私の家で食べればいい。 翔君の分も作る。
……いやいや何を言うんだ彩。 そこまでしてもらったら悪い……。
悪くない、そんな他人事の様に言わないで。
何で怒る!?
翔君も私の家族の一員、他人じゃない。 遠慮なんてしちゃ駄目。
いやあのですね、厳密に言うと俺と彩は他人……。
……。
……分かった分かった、遠慮せずに晩飯を頂くからそう怒るな。
ん、それでいい。
昼にも言ったけど……本当に頑固だなお前は。
頑固じゃない、これくらい普通。
いや全然普通じゃないから!! そこまでしてくれるクラスメイトなんて知らんぞ!?
誰にでもする訳じゃない。 翔君だからするの、翔君だからご飯を作るの、翔君だから一緒に居るの。
こ、この野郎……嬉しい事を言ってくれるじゃねぇか……。
そんなに強く頭を撫で回さないで、痛い。
すみませんでしたー。
家に到着、入って入って。
相変わらず彩の家はデカいな。 ……本当にいいのか?
……。
はい、お邪魔しまーす。
どうぞどうぞ。