少女はパソコンの画面を見て、唖然としていた。
数分前……
どうやら私の勝ちね。あなたの味方チームはすでに全滅したわ。
なるほど、すると残ったのはお前と俺だけということか。
なっ! いつの間にか私のチームも全滅!?
正々堂々の勝負を申し込む。
殺戮の魔女と言われた私にタイマンを挑むとは。ふっ、いいでしょう。
……。
燃えて灰となりなさい、フレイムバースト!!
き、消えた!?
いつ、私の背後に!?
ゲームセットだ。
ちっ、負けちゃった。あんなのチートよ、チーターよ。
やばっ、もう3時じゃん。寝ないと、やばい!
朝――学校。
うー、眠い。さっさと学校終えて昨日の負けた分取り返さないと。
優理(ゆうり)おはよー!
おはよー葵(あおい)!
(ああ、朝からうっせえなぁ)
なんか、目の下クマ出来てるよ。寝不足でもしたの?
く、クマ?
くまー?
かわいいけど、ごまかさないで。
べ、別に。ちょっと勉強でね……。
それならいいけど、悩み事なら何でも相談するんだよ。
おねーちゃんに何でも頼りなさい!
うん、ありがとう葵!
(ネトゲで負けたとか相談することじゃないよな)
(チャイムの音)
はいはい、席ついてー。今日は朝から報告があるぞー。
おっ、先生ようやく結婚すんのー!?
あらあら……。
せ、先生マジすんません。調子乗ってました。
もうこう言ったら、ありがちだけど転校生を紹介しちゃうぞー。
それじゃあ入ってきてー!
……。
それじゃあ、自己紹介してくれる?
分かりました。
くっくっく……。
え、えっ……?
今日からこの学校の支配者となる、ダークスレイヤー響鬼(ひびき)だ。
あ、相野くん?
相野(あいの)という名は仮の名です。現世に繰り出すのには、この世界の言霊が必要でしたので。
そ、そう。でも仮の名でいいから、そっちの名前の紹介してもらえるかしら。
仕方ないですね……。 相野 響(あいの ひびき)です。
そ、それじゃあ席についてもらおうかしら……ええと、今空いている席は。
(や、やば……私の隣空いてるっ!?)
(あら、ここにいい物が……!)
(ダンボールは敵の目を欺く最高の偽装ってス〇ークさんが言ってたわ。これなら先生に見つからない……!)
……。
優理さん、まだHR(ホームルーム)中よ。遊ぶのは休み時間にしてね。
(バレた……だと……?)
それじゃあ、あの子の隣にお願いね、相野くん。
すでに知っていました。 私には運命が見えているので……。
(い、いやぁあああああ!)
続く……。