『えっちいミミ子さんと箱男』

む。何かしらこの箱・・・・・・。

じーっ・・・・・・。

・・・・・・(汗)。

(誰か入ってる・・・?)

ふーん。まあいいわ。着替えましょ。

(ぬぎぬぎ・・・・・・)。

ま、待て!

あ。やっぱ誰か入ってた。

何してんのそんな段ボールのなかで? (ぬぎぬぎ・・・・・・)。

ちょっと待て服を脱ぐな。

なんで? (ぬぎぬぎ)。

いいから待て。

なにを?

ぱんつにかけるな、指を。

・・・・・・。

・・・・・・。

だが断る!

三時限目は水泳。私にはただちに水着に着替え、プールに向かう義務がある(キリッ)。

ひっ東棟のロッカールームを使え! ここで着替えるな!

何故?

おれが見てるからだろうが。 女子のくせに堂々と教室内で着替える馬鹿があるか。

じーつ・・・・・・。

な、なんだよ?

もしかして黒柳くん?

・・・・・・。

・・・・・・そうだけど。

ふーん。

いつもと入ってる段ボール箱が違うからわからなかったよ。

ああ。いつもは林檎の段ボール箱だからな。

今度はミカンなんだね。

ああ。インドネシア産なんだぜ。格好いいだろ?

うん。

前のは文字だけだったけど、今度のはイラストもついてるんだぜ。

そうだね。

キラキラマートでもらってきたんだ。

キラキラマートは私もよく買物に行くよ。

あそこはここらじゃ一番安いしな。

ところでさ。

なんだ?

前から思ってたんだけどさ。

黒柳くんて何でいつも段ボール被ってるの?

ああ。それはあれだ。

対人恐怖症だからな。

人前に出ると、緊張しすぎて硬直するんだよ。

しまいには呼吸もできなくなるから大変なんだぜ。

この前もうっかり外にでちまって窒息死しそうになった。

ふーん。大変だね。

まあな。

ところでなんでそんなところにいるの? (ぬぎぬぎ)。

!!!!!!!!

ぱぱぱぱぱ

ぱ?

ぱんつを脱ぐなあああああ!

なんで?

とりあえず着ろ!

どうして?

いいから着ろ!

どうやって?

なんでもいいから早く着ろーーーー!!

・・・・・・わかった。

(何故不満そうな顔をする)

・・・・・・。

・・・・・・スカート穿いた。

ぜ、全部穿いた?

・・・・・・。

穿け。

・・・・・・穿いた。

よ、よろしい。

それで?

なんだ?

なんで黒柳くんがここにいるの?

男子は確か格技場で剣道でしょ?

・・・・・・ああ。

実は新しい段ボールの居心地があまりにも素晴らしくてな。

うっかり寝過してしまったんだ。

そうなんだ。

このフィット感。

この柔らかな壁面の肌触り。

そしてフルーティな果実の匂い。

たまらなく素晴らしい。

人生十六年のなかで生涯ベスト!

おれはこの褥(しとね)のなかで生き!

この褥(しとね)のなかで死にたい!

・・・・・・。

・・・・・・ああすまない。つい我を忘れて語ってしまったみたいだ。

じーっ・・・・・・。

ねえ。

それ。そんなにいいの?

ああ。

いいな。

私も入りたい!

断る!

・・・・・・。

ふふん。そんな顔をしたって駄目だぜ。

だいたい人ひとりが入れるのがやっとなんだよ。

いくらお前が小柄だって入れるわけないだろ。

・・・・・・入りたい。

駄目だね。

・・・・・。

私も入りたいの。

・・・・・・。

・・・・・・。

・・・・・・。

・・・・・・?

・・・・・・むにゃむにゃZZZ

むうううう。

黒柳くんのケチ!

なんと言われようがこの城は誰にも入らせん!

だいたい段ボールくらい適当に拾ってくればいいじゃないか。

私は黒柳くんの段ボールに入りたいの!

フルーティで肌触りのいいフィット感を楽しみたいのっ!

おいおい。子供みたいなわがまま言うなよ。

じーっ・・・・・・。

・・・・・・。

・・・・・・(汗)。

・・・・・・まあ。

触る程度ならいいけどさあ(ぼそり)。

ほんとっ!?

さっ触るだけだからなっ!

指先で軽く三秒タッチしたら終わりだからなっ!

わかったなっ!?

わかった!

なで・・・・・。

なで・・・なで・・・。

ふふん。どうだいいだろう。

うんっ。

黒柳くん。

な、なんだ?

これはとってもいいものだね!

まあなっ。おまえもなかなか段ボールの良さがわかっているかもなっ。

ほんとっ?

ああ。おれ程ではないにしろ。いい段マニ(段ボールマニア)になれるはずだ。

やったっ。

じゃあさ。

ちょっとだけ中に入ってもいいかな?

そ、それは駄目だ。

お願い。

駄目駄目駄目だ。

だいたいさっきも言ったけど、そんなスペース・・・・・・。

手。

あん?

手を入れるくらいいいでしょ?

・・・・・・。

それだけさせてくれたら満足するから。

それ以上はわがまま言わない。

・・・・・・。

・・・・・わかった。

じゃあ手だけだぞ。

手首までだぞ。 それ以上は認めんからな!

うんっ。

じゃあ手を入れるね。

・・・・・ああ。

そーっ・・・・・・。

えいっ。

わあ。あったかいね。

お、おれが入ってるからな。

いい匂いがするね。

み、ミカンが入ってた箱だからな。

いい匂い。

吸い込まれそう。

えっ?

あっ・・・・・・。

お、おいっ・・・・・・。

ふふふ・・・・・。

あのね・・・・・。

思ったより深いね・・・・・・。

これならもうひとりくらい・・・・・。

ちょ、ちょっと待て!

いっ、いつの間に制服を・・・・・・!

うん。汗かいたから。

そ、そういう問題じゃないだろ!

でもここも暑いね。

すごく汗かきそう。

黒柳くんも制服脱いだほうが涼しいよ・・・・・・?

やめ・・・・・。

これがベルトだね。

やめ、やめ・・・・・。

ふふふ・・・・・。

やめてーーーーー!!

・・・・・・。

・・・・・・。

・・・・・・。

黒柳くん・・・・・。

汗たくさんかいちゃうね?

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公開日 2012/05/05 22:52 再生回数 28

作者からのコメント

反省してます。ほんと反省してます。まさかこんなにえろい話になるなんて想像もしてませんでした。もう書きません。でも需要あれば書くかも。嘘です。書きます。どっちだよ! ほんとすいませんでした!

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