『それは純粋なる感情04』

(……信じたくない、信じたくないが……この馬鹿は本当に俺の部屋のベッドに潜り込んで来やがった)

ちょっと待った、今失礼な事を思っただろ?

お前エスパー?というか読心術でもやってるのか?

そんなものに頼らなくたって君の考えてる事ぐらい分かるよ。

ずっと一緒に居たからね。

ここで幼馴染の仕草にドキッとする所だがそんな事は無かった。

声に出して言うな!!後ドキッとしろ!!

押し付けるものじゃないだろ!! ただでさえベッドの中で密着してるというのに……っていうかこっちに寄り過ぎだ!!

何を今更……小さい頃はよく一緒に寝たじゃないか、恥ずかしがる事なんてないぞ!!

それは昔の話だ!! つーか恥ずかしがれ!!年頃の男の寝床に警戒心無しで入ってくるんじゃない!!

ほう?だったら私をおそ……

おい馬鹿止めろ。 何だお前は、夜だからテンションでも上がってるのか?

本当に妙なタイミングで素になるんだもんなー……。

思ったんだけど、いつまでそっぽ向いてるの?

お前が帰るまでだ。

ふーん、じゃあ私は君がこっち向くまで帰らないよ。

お前って奴は……!!

お!?今の突っ込みでこっち向いたな!?

なっ!?しまった!! つい勢いで向いてしまった!!

そーれ!!

わっ!!馬鹿!!抱き着いてくんな!!

断る!! 久しぶりに君の胸に埋めさせてもらうよ!!

モゾモゾすんじゃねぇ!! くすぐったいだろうが!!

ふむ……うん、やっぱり落ち着く。

こっちは落ち着けないっての……、全く。

えへへ……。

(……もう疲れた……このまま眠ってしまおう……)

……ねぇ。

……もう寝ちゃったの?

……全く、図太いんだか何だか……こんな状況でよく眠れるもんだ。

……落ち着いたと言ったけど、あれは嘘だよ……だって……。

……君だって私の事を抱き返してるじゃない……。

……さっきのはちょっと語弊があるね……落ち着かない訳じゃない、むしろ安心……安心できる……。

さすがに君が死のうとした時は……怖かったけどね……。

……でも、今は違うんだ。 こんなにも君が近くに居る……。

……もう……私の前で死のうとしないでよ?……お願いだから。

(……全部声に出ていたのを聞いてしまった……)

(……本当は分かっている……分かっているんだこんな生活を続けちゃいけないのは……)

(……いや……分かっているつもりだった……だが俺は何一つ分かっちゃいない)

(こいつがどんな思いで俺に構っていたのか……何一つ分かっていなかった……)

(……どうすればいいんだ俺は……)

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公開日 2013/04/17 23:31 再生回数 13

作者からのコメント

添い寝とか相手を蹴り飛ばしそうで無理(´・ω・`)

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