アリス 「入部する…?」
楓 「でも…中津君委員会の仕事とかで忙しいだろうし」
中津 「いえ、委員会の仕事もそこまで忙しいものではないので」
中津 「私がいなくても今は仕事が回ってるみたいですし」
春香 「でもホントにいいんかい?」
楓 「くだらんダジャレをほざくなぁぁ!!!!!」
春香 「ぐほおお!!!!!」
アリス「うわぁ……」 侍「喰らいたくねェ…」
中津 「もちろんみなさんが良ければですが」
アリス 「レイっちは大丈夫なの?」
中津 「私は全然大丈夫ですよ それにお互い情報をいろいろ持ち合わせていますし」
中津 「情報網には結構自信がありますし、その方が効率もいいかと」
アリス 「う~んそうだねぇ」
楓 「私は中津君がOKなら良いわよ」
春香 「むしろ大歓迎なくせに」
楓 「ちょっとその口閉じようか…」
春香 「ごめんなさい調子に乗りました」
侍 (弱えぇ……)
アリス 「じゃあ、満場一致ということで 入部を許そう」
中津 「これからよろしくお願いします」
春香 「あれ??あたしが部長だよね???」
アリス 「ほれほれ、キッ〇カットあげるから。泣かない泣かない」
春香 「わぁお、ありがとう~」
楓(ちょろすぎる…) 侍(ちょろすぎる…)
こうして我が部活に新たな部員が入ることとなった。
少し不思議な感じがするけど 私は信頼のおける人だと出会った当初から感じていた。
中津レイが入部した!
楓 「じゃあ私たちはこっちだから」
アリス 「うん…じゃあまた明日」
楓 「ええ、また明日ね」
アリス 「ばいばーい」
中津 「では失礼します」
春香 「楓~スケベぇするんじゃないわよ~」
楓 「星になれぇぇぇ!!!!」
アリス 「まだ星が出るには早い時間だけどね」
ちゃららららん
楓 「はぁ なんかごめんね」
中津 「いえいえ、中々にぎやかで楽しいですよ」
楓 「あの馬鹿はちょっとテンションがおかしいのよ」
中津 「部長さん明るそうで楽しい人ですよね」
楓 「ただ騒がしいだけよ」
中津 「あまり、あんなに明るい人はいませんよ」
中津 「正直羨ましい限りです」
楓 「でも、中津君は真面目で物静かで 落ちついた感じがすごくいいと思うよ」
中津 「私なんか学生らしくないですし、良いところなんてありませんよ」
楓 「そんなことないわよ。こうやって話してるだけで落ちつけるし」
楓 「そういうところが良いところだと思うよ」
中津 「そう言って頂けると嬉しいですね。楓さんは優しいんですね」
楓 「そ、そんなことないよ!私なんてガサツなだけだし…」
中津 「でも私はさっきから褒められっぱなしですよ」
楓 「そ、それは本当のことを言ってるだけだよ」
中津 「……」
楓 「……」
楓 「なんか私たちさっきから同じことばっかり言ってるね」
中津 「全く…本当ですね」
楓 「そういえば 中津君、アリスと神隠しについて話していたわよね?」
楓 「中津君もこの事件を?」
中津 「ええ、この都市でいろんな噂が立っていたため」
中津 「興味本位ですが…」
楓 「まぁ、私たちも似たようなものなんだけどね」
楓 「でもよく一人でやろうなんて考えたわね」
中津 「委員会の対策として、生徒が被害に遭うことを未然に防ぐために始めたのがきっかけです」
中津 「事件の詳細を調べていくうちに ある事件が気になりまして」
楓 「ある事件?」
中津 「えっと………これです」
楓 「どれどれ」
水力発電所にて火災事故…
楓 「この事件って… 起こったのは10年前じゃない…」
楓 「どうしてこんな昔の事件を?」
中津 「いえ…少し気になりまして… それに丁度『神隠し』が発生したのもこの年からですし…」
中津 「何かの手がかりになるかも知れないと思いまして」
楓 「一慨に関係しているとは思えないけど…」
楓 「たしかに気にはなるわね…」
中津 「当面はこちらを調べたいと私は考えています」
楓 「わかった。私にも何か手伝えることがあったらいつでも声かけてね」
中津 「はいっ。その時は宜しくお願いします」
楓 「こちらこそ、その時はよろしくね」
ちゃららららん
がちゃん
アリス 「ただいま~」
長老 「おかえりアリス。今日も部活だったか?」
アリス 「うんそうだよ」
長老 「最近日が落ちるのが早くなったからな…」
長老 「帰り道は大丈夫か?」
アリス 「うん…今のところは大丈夫だよ」
長老 「そうか…」
アリス 「…?」
長老 「ああ…そんなことより 外は寒かったろ?」
長老 「夕食は出来てるぞ。今日はアリスの好きなシチューだ」
アリス 「わ~い。ニンジンたくさん入ってる?」
長老 「うむ…うーがたくさん仕入れてくれたからな」
アリス 「やったね☆」
ちゃららららん
アリス 「ふ~…お風呂でも入るかな~」
侍 「風呂か… もう何年も入ってねぇな」
アリス 「うわ…ばっちぃ…」
侍 「そんなこと言うなよ… こっちの世界じゃそれが普通だったからな」
アリス 「こっちじゃ毎日入ってるよ」
侍 「こっちから言わせてみりゃそっちのほうがおかしいわ…」
アリス 「それは価値観の違いだからね…」
アリス 「よいっしょ…」
スルスル…
侍 「ああ…悪い…向こう行ってるわ」
アリス 「別に気にしなくていいのに…」
がちゃん
じゃばー…
アリス 「あぁぁ~…ええ湯や~」
侍 「なぁ~嬢ちゃんはどう思う?」
アリス 「何が~?」
侍 「今回の事件…やっぱり神隠しは本当にあると思うか?」
アリス 「私はないと思ってる~」
侍 「ほぅ…そりゃまたなんで?」
アリス 「本当に神隠しがあるなら、こんな定期的に起こるはずがないし…」
アリス 「第一起こる範囲が広まってる理由が分からない」
アリス 「起こる現象として、あまりにも作為的すぎる…」
侍 「確かにな…」
アリス 「それよりも私は10年前の焼死体の話が気になった~…」
侍 「えらいまた物騒な方に興味をもったな」
アリス 「どうしてもちょっと腑に落ちなくて…ね」
侍 「…??」