おはいおー。
あなたのしょうもないダジャレで朝が始まるなんて、今日は厄日かなにかかしら。
いや、厄日はこっちでしょ! 朝からこんな扱い受けるなんて!
ところであなた、お弁当は三人分作ってきたの?
もちのろんだよ! 昨日の約束をもう忘れたなんて示しがつかないからね!
それはご苦労なことだったわね。 でも彼女、今日は来ないわよ。
……。
は!?
今朝メールが来てね、制服を探したんだけど、そう言いえばもう着ないだろうからって捨てちゃったらしいのよ。
いやいや、なんでそういうとこだけフットワーク軽いかな! どうするのさ、このお弁当!
どうするも何も……ねぇ。
~お昼休み~
……ごちそうさま。 なんだか日に日に無駄に美味しくなってるわね。料理出来ますキャラでも確立したいのかしら。
ふふふ、なんてったって将来の夢はお嫁さんになることだからね! 進路希望調査にも書いたくらいだし!
呼び出し確定じゃないのそれ……。
――まあそれはいいとして。
うん。
どうしましょうか。この余ったお弁当。
はじめに言っておくけど、私はもう無理。これ以上食べたら水蒸気爆発起こしちゃう。
あんた何者よ……。
かくいう私ももう食べられないわね。ただでさえあなたの作るお弁当は量が多いっていうのに……。
……売る?
これまたとんでもない発想ね……。
売るとしたらいくらで売るのよ。
うーん……、明日の数学の課題と引き換えかな。
お金でもなければ物でもない! すごく陰湿な取引ね……。
誰かいるの? 課題やってくれそうな人は。
いるよ、ここに。
ここに……って、ええ!? 私!?
ねぇねぇちょっといい話があるんだけどさぁ~、聞いてかない?
なんか始まった……。
ここにお弁当があります。三つ作ったんだけど、実は一個余っちゃってね。
私はあなたにこのお弁当をタダで! ロハであなたにあげます!
ロハって……もはや死語よそれ。
その代わり! 私の代わりに明日の数学の課題をやって欲しいの!
……どう? 悪い話じゃないと思うんだけど。
悪いわ!!! 悪意しか感じないわ!!!
ちぇっ、だめだったか。
だめに決まっているでしょう! なんでお腹いっぱいの私がまた無理してお弁当食べなきゃいけないのよ!
しかも課題もやれって……罰ゲームじゃないこれ。
ばっ、罰ゲームって! 私のお弁当が食べれないっていうの! だったら食べなくていい! もうよその子になっちゃいなさい!
おかあさん! 私そんなつもりで言ったわけじゃ……て、何言わせるのよ!!
これじゃラチがあかないね。
それじゃこの件は明日に持ち越しということで。
持ち越すなよ!!!