ざっざっざっざっ・・・
か、楓ちゃ~ん・・・
どうしたのだ渚~。 早く来ないと置いていくのだ~。
いや、・・・ちょっと・・・ 休憩・・・しよ・・・。
またなのかなのだ。
渚よ、歩き始めてまだ10分も経ってないのだ。
運動不足にもほどがあるのだ。
だってあたし、ニートだもん。
(そんな言い切られても困るのだ・・・)
しょうがないのだ。 ここで休憩するのだ。
ざざあぁぁぁ・・・
あっ気持ちいい風~。
渚、お茶を淹れたのだ。
あっありがとう、楓ちゃん。
あちちっ・・・ふぅ~。ふぅ~。
ねぇ、楓ちゃん? もうちょっと冷たいお茶とかないの?
山中で病気にでもかかると大変だから、あったかいお茶を用意したのだ。
なるほど。つめた~いお茶もいいけど、それでお腹壊しちゃったら大変だもんね。
だが安心するのだ。もちろん、冷たい方も用意してあるのだ。
え? あるの?
うむ。
あたし、冷たいお茶の方が良かったんだけど・・・。
分かったのだ。今用意するのだ。
いやいやそんな、このお茶飲むから大丈夫だよ! 次からは冷たいほうがいいかなぁ~って・・・
私と渚の仲なのだ。 遠慮なんてしなくていいのだ。
楓ちゃん・・・。
熱いお茶は私が飲むのだ。だから気にしなくていいのだ。
・・・・・・。
(ぬふふふ・・・すべて計算どおりなのだ。)
(これで渚と間接キス成立なのだ♪)
・・・・・・。
さあ渚、冷たいお茶が入ったのだ。
ごめんね、楓ちゃん・・・。
気にする必要ないのだ。
(間接キス、 間接キス、 間接キス)
ざざざぁ・・・・
あれ? なんか今、物音がしたような・・・
風の音なのだ。気にする必要ないのだ。
どす・・・どす・・・
な、なんか足音? みたいなのも聞こえてくるんだけど・・・
風で木の実かなんかが落ちてる音なのだ。気にする必要ないのだ。
ぐるるるるる・・・
じゃっ!? じゃあ今の音は!?
私の腹の音なの・・・
おかしいのだ。さっきご飯を食べたばかりなのだ。私ではないのだ。
・・・・・・!!!!
きっと獰猛な獣の飢えた腹の音なのだ、別に気にする必要も・・・
・・・・・・。
パクパク...
・・・・・・。
・・・・・・。
ガクガクブルブル....
・・・・な、渚よ。
・・・・な、なに、 かえで・・・ちゃん。
さっきから後ろから生暖かい風が吹いているのだが、もしかして・・・
う・・・うん・・・。
もしか・・・しちゃう・・・ かも・・・。
・・・・・・。
だるまさんが転んだ!!!
・・・・・・。
・・・・・・。
逃げるのだー!!!!
ひゃああ!! 待ってよ楓ちゃん!!
くまー!!!
くまー!!!!
! 見よ渚! こんなところに洞窟があるのだ!
ぜぇー・・・ぜぇ・・・
とにかく、ここに隠れるのだ!
う・・・うん・・・
くまー???
はぁ・・・はぁ・・・
ぜぇ・・・ぜぇ・・・
ぅおうぇ・・・
な、渚! しっかるするのだ!
待ってるのだ! 今氷砂糖を用意するのだ!
渚、 これをゆっくり口に含んで・・・。
・・・・・・。
・・・・・・。
渚、大丈夫かなのだ?
う・・・うん・・・。
さっきよりは・・・だいぶ・・・。
済まないのだ渚。 私がついていながらこんなことになってしまって・・・・。
ううん、手段はどうあれ、楓ちゃんがあたしをキャンプに連れてきてくれて、本当はとても・・・。
・・・・渚。
・・・・ここ、涼しいね。
う、うむ、そうだな。
しばらく、ここで休むのだ。 その間にさっきの熊も何処かへ行ってしまってるのだ。
・・・・うん。 ・・・・あれ?
? どうしたのだ、渚。
洞窟の奥、なんか・・・・
・・・・光ってる、のだ?
もしや・・・・
ロシア・・・・
・・・・・・。
ロシアの・・・・
殺し屋・・・・
おそロシア・・・・
ひゅぅぅ~・・・・
・・・・へっくちゅ!!
む、いかんのだ! 渚、あったかいお茶なのだ!
ありがとう、楓ちゃん。 あちちっ・・・・
ずずず~・・・・。
ふぅ~・・・・。 あったまる~。
(やっぱり、あったかいお茶も持ってきておいて、正解だったのだ。)
それからしばらく....
渚、どうやらさきほどの熊はもう去ったようなのだ。やっとここから出られるのだ。
ほんとっ!? よかったね、楓ちゃん!
・・・・して、渚よ。
はえ?
どうするのだ?
ど、どうするって?
洞窟の奥の光・・・・ 今もこうして輝いておるのだ。 気にはならないかなのだ。
う~・・・・ そりゃ、気になるけど・・・・。
なんか怖いし・・・・。 ねぇ。
・・・・もしかしたら金銀財宝の可能性も
レツゴー三匹だよ楓ちゃん!
タッタッタッタッタ....
・・・・相変わらず、現金なのだ。
~終劇~