ねーねー、駅前のメイド喫茶に行ってみない?
ああ、少し前にできたってトコでしょ?
そうそう。地元でメイド喫茶が楽しめるなんて、面白いと思うよ。
そうねぇ・・・、行ってみましょうか。
お帰りなさいませ、親愛なるお嬢様!
うわあ! ほんとにメイドさんだ!
へー。メイドさんって初めて見たよ。
ご注文は何になさいますか?
とりあえずビール中ジョッキ生、枝豆一つ。
な、なに言ってんのよ! ここは居酒屋じゃないのよ! って、わたしたち未成年でしょうが!!
ちぇー。じゃあ、ケーキと紅茶でガマンしてやるよ。
あ、あんたって子は……。
お待たせしました、ケーキと紅茶でございます。
わあ、おいしそう!
グフフ、わしゃメイドさんのほうがおいしそうじゃぞ。
メイドはん、いいケツしてんのう(さわさわ)
ひっ! おやめくださいお嬢様!!
いーかげんにしなさいっ!! (ぽかっ!)
てへ☆
最初は、メイド喫茶ってどうなの? って思ってたけど、落ち着いていて、雰囲気は悪くないわね。
ん?
なぜクマが!?
あの、メイドさん。
何でしょう?
クマがいますよ、クマが。
はい、あのお方は当店の常連様なんです。
クマなのに?
メイド君、ちょっといいかな?
何でございましょう?
この紅茶、昨日飲んだものより、味に深みがあるね。葉を変えたのかな?
はい、おっしゃる通りです。英国から取り寄せた茶葉が届いたので、使わせて頂いております。
フフ、そうか。僕はてっきりキミが”おいしくなる魔法”をかけてくれたのかと思ってしまったよ。
まあ! お上手ですね!
(うわー! クマのくせに生意気な……)
クマのくせに生意気なんだよ!
ちょ、あんた、なに言ってんのよ!
畜生のくせに人間様のマネしてんじゃねーよ!
バカ! 聞こえてるわよ!
クマは川っぺりでシャケでも穫ってろ!
あっ! マズイ! こっち来た!
偉そうにしてんじゃねーよ! ケダモノ!
……ってこいつが言ってますよ。
わ、わたしのせいにする気!?
こんにちは、お嬢さん。
こ、こんにちは……。
いい店だろう?
は、はい。
この店はね、僕の友人が経営してるんだ。
そ、そうなんですか。
おい、メイド君、このお嬢さんたちにチョコレートパフェをごちそうしてあげたまえ。僕のおごりだ。
そ、そんな、悪いですよ。
いいんだ。可愛いお客様に、この店をひいきにしてほしいんだ。
また機会があれば、来てくれないかな?
は、はい。
フフ、ありがとう。それでは楽しい午後のひとときを。
人を見かけだけで判断するのはダメだよ。
……。
男の人は、ジェントルマンであるべきね。
毛深い人ってすてき!
わたし、ぷーさん大好きなんだ!
あ、あんたは……。
いいかげんにしなさい!! (ぽかっ!)
てへ☆