ざわざわ・・・。
なんだよ、イキナリ全校集会って。 めんどくせえな。
なんか新任の先生がくるらしいよ。
教師一人増えるだけで、校庭に全生徒を集める意味がわかんねえ。
けっこうスゴい先生なのかもね。
たとえば?
超美人でムチムチのグラマーだとか・・・。
おまえ天才か!?
男ってしょうがないなあ・・・。
ほら、校長先生が来たわよ。 静かにしなさい・・・。
あ、あー・・・。
みなさんが静かになるまで、10分かかりました。
そんな話はどうでもいいんだぁーっ!!
ほげぇーっ!!
校長が蹴られたっ!?
いい蹴りだな。 何者だ・・・あの女教師?
あきらかに教師って服装じゃねえけどな、アレは。
いいか。 よく聞け、人間ども!
今日から私が、この学校の支配者だ!
待ってください、女王様・・・じゃなくて、大魔王様!
わ、私にも校長としての立場が・・・。
やかましいぃ~ッ!!
めぽらっ!?
・・・というわけで人類支配の手始めに、私があるクラスの担任を受け持つこととなった!
私の指導を受ける生徒たちは、大魔王直属のエリートとなる!! 光栄に思えっ!
光栄に思え・・・とか、大げさなこと言われてもな~。
どこのクラスを受け持つのかな。
少なくとも、このクラスってことだけはないだろ。
うちのクラス、テストの平均点が学年中で万年最下位なんだぜ・・・。
絵に描いたようなオチコボレ集団だもんね。
そういうことさ。 だからまあ、どこのクラスが選ばれようがオレらには関係ないってね。
でも、わかんないよ~。
何がだよ?
もしかしたら、ってこともあるかもしれないしね。
んなわけねえっての。
先生がくるわよ。 おしゃべりはそこまでにしなさい。
フハハーッ!! ついにここまで来たか、人間どもめ!
あの、えっと・・・きょ、今日から大魔王様が、このクラスの・・・みんなの担任になります・・・。
もしかしたらが────!!
・・・来ちゃった!?
人間どもよ。 耳をそばだてて聞くがよい。
ソバがどうしたんですか、先生。 オレはウドンのほうが好きです!
そのソバじゃないっ!!
あと、おまえの好みは聞いてない!
先生。
このクラスのみんなは、あんまり頭が良くないので、難しい言い回しを使わないでください。
フフフ・・・さすがだな。
私が選んだだけあって、なかなか頼もしい連中だ。
どういう基準で、このクラスが選ばれたんですか。
頭が悪いほうが、使いやすいだろ。
魔王軍を率いていたときも、オークとかゴブリンみたいな連中のほうが便利に使えたからな。
あいつら、火薬のつまった樽を背負わせてさ・・・。
火をつけて敵陣につっこめって命令したら、本当に突撃していくんだぜ~。最高だろぉ?
私たちをそんな連中と一緒にしないでください!
我に逆らうつもりか、人間め!
あの、先生・・・。
ん? なんだ、そこのとびきり頭の悪そうな人間。
正直すぎるコメントありがとうございます。
それはそれとして、先生はどうして人間の世界にやってきたんですか?
ん、んー・・・。
ちょっと、その・・・魔界が・・・。
魔界・・・?
こっ・・・このあいだまで、私の支配していた魔界が・・・。
人間の勇者に攻め込まれて・・・。
もしかして、負けたとか?
う、うるさいなっ! そんなのおまえらに関係ないだろっ。
事情はよくわからないけど、先生も大変なんですね・・・・
とにかく・・・!
この私の直属の部下として、今日からおまえらを鍛えてやる。
ありがたく思えよ、人間ども!!
思えよ、とか言われてもなあ・・・。
みんな、先生に質問ばっかりしてないで、静かにしなさいよね~。
どうなっちゃうんだよ・・・オレらの学校は・・・?