いやー疲れたよー! 今日も滞りなく一日が終わったね!
そうね。この猛暑がなければもう少し楽なんだけど。
ほんとだよねぇ。今日の最高気温は何度だったんだっけ?
三十五度よ。
三十五度……! 二度あることは三度あるとは言うけど、まさか三十五度なんて……!
使い方おかしいわよ。
しかし三十五度かー。こうも暑いと私たちの思考も緩くなっちゃうよね。
あなたはもともと緩みきっているけど。
当たりが強い!!
この暑さに免じて許してね。
あぁ……確かにこの暑さなら仕方ないよね。
私なんて暑すぎて、水着なんて着ちゃってるくらいだし。
……え?
水着着てるの? 制服の下に? 今?
うん。水着。学校指定のスクール水着。
いや、おかしいでしょう。水泳の授業のある日を間違えて着てきちゃったならまだギリギリおっちょこちょいで済まされるけど――
そもそもウチの学校に水泳の授業は無いでしょう。学校指定の水着なんて無いし。
え? なに、もしかして泳げないの?
そっ……そういう話をしてるんじゃなくてね!
……なんで水着なんて着てるのよ。
要は気持ちの問題だよ。暑いと思ってるから暑いの!
だから水着を着て涼しもうってわけ!
で、水着で一日過ごしてみてどうだったのよ。
実際のところ、もうやばいよね。むれっむれだよね。
そりゃそうなるでしょう。
もう耐えられないからここで水着だけになっちゃってもいいかな? 昔の偉い人が言ってたでしょ? パンツじゃ無いから恥ずかしくないって。
その瞬間私は逃げるわよ。自らの発汗をためらわずに全力で走り去るわよ。
なんと……いいの? このままじゃ私、あせもとかできちゃってすごく痒くなるんだよ?
知らないわよ、もうあとは帰るだけなんだし、我慢してよね。
うう……。
……。
……!
どうしたのよ。
ビキニで来れば……涼しいんじゃない!?
水着から離れなさいよ!!