・・・お昼いっしょに食べようよ。
ねえ、知ってる？ あの噂・・・。
・・・で、となりのクラスのカレと つきあってるんだって～。
えー、マジで？ それヤバーい。
（あーあ・・・ったく）
（くっだらない話が好きだねー、 すぐ群れたがるメスガキどもはさ）
（クラスの男子たちも よくああいうのに群がるよね）
（この私を無視するなんて まあ・・・ガキってことよね！）
（それにしても・・・）
（私が転校してきてから もう一週間たつけど・・・）
（さっさと誰か この私に話しかけなさいよね）
（声をかけるきっかけ作りのために、 わざわざ前の学校の制服まで こうして着てやってるのに！）
（・・・つっこめよ!! さっさとツッコミ入れろよ！ 女ぁ待たせんなよ、草食動物ぅ！）
（おまえら穴ついてりゃ なんでもいいんだろ男子どもォ！ 飢えたオスどもレッツカモン!!）
おい！ 昨日のあの番組みたかよ？
えっ・・・あ、あぅ、ぇ・・・。
うん！ 見た見たー！ あれ、スゴかったねえ。
だろー。 空から急にぐわーっとさ・・・。
うんうん。 あれすごーい。やばーい。
でさ・・・そのあとがまた・・・。
・・・だよねー。
（チッ・・・）
（まぎらわしいことを しないでほしいものね！）
（私に話しかけてきたのかと思って ビックリしたじゃないの!!）
（それにしても・・・）
（いつになったら・・・ みんなに話しかけてもらえるのよ）
（・・・ハッ!! 学校はガキばかりで困るわ・・・）
（この私の魅力に気づかないなんて ・・・ホントお子様ばっかりね！）
お姉ちゃん、そこジャマだよ
テレビの前に立たないでよね。
う、あ・・・ぁぅ・・・。
（いきなり話しかけるんじゃねーよ！ このバカ弟は!!）
（まあいいわ。 ここは姉としての威厳を・・・）
（見せつけるチャンスよね！）
あっ、あ・・・うぁ、い、いま・・・ どく、から・・・。
うぐ・・・ご、ごめ・・・なさ・・・い・・・。
まだ前の学校の制服着てんのかよ。 さっさと新しいやつ着ればいいのに。
ホント・・・うっざい姉ちゃんだな。
（テメエのほうがウゼェ!! このクソファック弟がぁーっ！）
（ウジ虫、ゴミ虫、クソ虫・・・ 死ねこのクズが！ 視界に入るな！ 枕パンチ枕パンチ枕パンチ・・・ フルボッコしてやんよォーッ！）
（あんたなんかね・・・ この私を形作っている、 偉大な遺伝子の残りカスで 生まれた存在にすぎないのよ!!）
（・・・まあいいわ。 このくらいでカンベンしてあげる。 高貴な姉の寛大さに感謝するのね）
（さあ、今日もブログに 私の華麗なエンジョライフを レッツクリエートするわよ！）
あらあら・・・ 捏造はよくないわね・・・。
ぶぃーん、ぶぃーん、ぶーん・・・。
（・・・なんなの!? このブキミな音は！）
ブッヒーッ!!
ひゃぁ・・・。
な・・う、ぁ・・・な、に・・・。
大丈夫よ。 落ち着いて。
ひ・・・ぶ、ぁ・・・ブタ・・・しゃ ・・・しゃ、べ・・・た・・・・
私は心の声が聞こえるの。
いつもみたいに、 心の中で話してごらんなさい。
（なんなの、このブタは？ 人間様の言葉がわかるっていうの）
ええ、わかるわよ。 ユーシンクソゥバァーッド!!
（ひぃ・・・ 考えていることを読まれてるっ！）
私の名前はスイーツビッチ！ 魔法の世界からやってきたの。 オッケー？ ドゥユアンダスターン！
（お、オッケー・・・）
グゥーッド!!
う、あ・・・な・・・なに・・・。
いいかしら？ レッスンテイクツー！ アイティーチユー！
いい？ あなたこのままじゃ 一生非モテのコミュ障よ。
コアな一部の層にだけマーヴェラス!! 独身確定のエターナル処女だわ！
そして、いずれは 結婚の条件を出しただけで ネットに晒されて炎上しちゃう バーニングガール!!
ノンノン。 ガールじゃなくて、アラフォー!!
パードンミー!! 発音はア↑ラフォーゥ↓よ。
（よけいなお世話よ！ 何言ってんの、このメスブタ！）
ふふっ・・・ 最初はみんな、そう言うの。 だけど・・・ノゥプロブレーム!!
私がいれば大丈夫ブーゥ！
（その微妙なブタっぽさムカつく！）
あなたも明日から人気者。 みんなのアイドルになれるわよ。 見ただけで誰もがフォーリンラヴ！
（それ、ちょっといいかも・・・）
というわけで・・・ 今日から私があなたのパートナー！
ぁ・・・う、ぐ・・・グギギ・・・。
この愛されビッチな私のパゥワーで あなたも素敵なレディに変身よっ！
（このブタ・・・ムカつく・・・）
（でも・・・私・・・ 私だって、誰か・・・ もう誰でもいいから・・・）
（この際、誰でもいいから 好きって言ってもらいたいのよ！）
