ぴんぽんぱんぽーん♪
お昼休みになりました。
放送部が、今日の学校放送をお送りいたします。
トゥルートゥットゥッ、トゥットゥットゥルットゥ~♪ (ワーワー・・・)
はい、こんにちは~。
今週もやってまいりました! 毎週木曜日にお送りする、調理部のお昼実習の時間です。
今日のゲストは・・・。
えっと・・・ちゅうにぶ?
中二部、でいいのかな?
それであってる。
はいはい。 その中二部の部長さんがゲストです。
貴公らの招聘に答えて推参いたした次第であるぞ。
はい、どうも。 今日の料理は、トマトの水煮を使った「イタリア風海鮮鍋」です。
イタリアか・・・。
イタリアと言えば地中海だが、アトランティスには地中海説というのがあってだな・・・。
そうですか。 まず、材料は・・・トマトの水煮をひと缶。
それから、タマネギ、ニンニク、ズッキーニですね。
ニンニクはいかん、ニンニクは・・・オレの体に流れる、真祖の血が拒むんだ!
匂いが気にならない人は、好みで適量を入れてくださいね~
それから、ソーセージとタコ。 あとはお好みで、魚介類を加えてくださいね。貝を入れると、いいおダシが取れますよ。
そういえば、ラヴクラフトは西洋人特有の軟体動物恐怖症だと思わないか?
そうそう。 オリーブオイルも忘れずに用意してね。
はい。 じゃあ、クッキングターイム!
オレもそれ言ったほうがいいのかな? クッキングたーいむ。
調理法はとってもカンタン!
まずはタマネギをみじん切り。
魔神斬り・・・!? 神殺しに連なる者だというのか!
ニンニクは細かく刻んで・・・。
他の材料は食べやすいひと口サイズに切って、あとは材料をみんなお鍋に入れて煮込むだけで~す。
意外と雑な料理だな。
あの、さ・・・。
これ生放送なんだよっ。 ちょっと気を使って発言してよね!
ご、ごめん・・・。
いや、その・・・えっと・・・。
私も言いすぎたかも・・・。 いきなり怒鳴ったりして、ごめんなさい。
いや・・・オレが悪かったよ。
空気読めない、って・・・いつも言われててさ。
でも、お昼の放送に呼ばれて・・・。
嬉しくて、舞い上がっちゃってさ。
キミみたいな美人と、こんな近い距離で話したことなんて、今まで一度もなかったし・・・。
び、美人ってほどじゃ・・・。
謙遜するなよ。
キミは、すごくキレイだよ。 オレが出会った中で、一番美しい。
クレオパトラや西太后ですら、キミの前では後ろを振り向くことさえせずに、裸足のまま一心不乱で逃げること間違いなし!
さながらヤハウェによって今にも滅ぼされんとする、ソドムとゴモラから逃げ去るロトとその娘のごとく!
よ、よくわかんないけど・・・いきなり何を言ってるのよ・・・。
あの・・・よかったら、オレと・・・。
はいっ。 話している間に材料が煮えましたね。
今日の料理はできあがり!
みんなも家で作ってみてね。
試食タイムは?
あの・・・もうすぐ放送終わるから・・・。
二人で、中庭で・・・いい?
う・・・うん! もちろんだよ!
ちゃんとできてるかな・・・?
いい匂いだね。
た、食べてみて・・・。 まだ熱いから、ヤケドしないようにね。
・・・おい。 これ、塩コショウ入れてないだろ。
そ、そういえば・・・。
エヘヘ。 忘れてたかも。
かもじゃねーよ。 エヘヘって笑うところでもねーよ。
あきらかに素材の味しかしねえよ。 どんだけシンプルな料理だよ。
そこまで言うことないでしょ!
だいたい、あんたが放送中におかしなことばっかり言うから!
それでもプロかよ。
プロじゃないわよ!
それにしたって、これはウマいとかヘタってレベルですらないぞ。
なんですってー!
お、おい・・・その鍋をどうするつもりだ・・・?
こうするのよ!
ギャー!!
おい、放送部員。 昨日の放送スゴかったな!
放送後も追跡して、中庭から中継したら・・・なんか全校生徒から注目されたみたいでさ~。
放送後の追跡企画が大当たりしたって感じだな!
次回もまた、ああいう感じでやってみようかな。
こっちは二度とやりたくねーよ!