ねぇねぇあっちゃん!
なんだ京(みやこ)。今日の売店のおばちゃんの下着はショッキングピンクだぞ。
別に誰もそんな衝撃事実の解明を求めてはなかったけど、ここはとりあえず驚愕しておこうかな!?
で、何の用だ? 貸してたCDでも返してくれるのか?
CD? ・・・・あ、そういえば借りてたねCD。
末代まで滅しろ。
まだ何も言ってないし! 言ってたとしてもそこまで言っちゃいますか、あっちゃんさん!
マイケルだ。
はえ?
だから、マイケル・・・・。
????
・・・・マイケル・ジョーダンぐらい知っとけ!!!
えぇー!? そんな「兄の半分以上上手くなりたい」という想いから、兄が学生時代につけていた背番号「45」の半分の「23」をつけていた、なんてエピソードがある選手のことなんか知らないよ!
って、十分知ってるじゃん。
言われてみれば。
あははのは!
ってー! そんなこといいから本題に入るよ!
オィッシャァーウィバッチコーイ!(バシバシン!)
(どこからキャッチャーミット持って来たのとかそういうのは放っといて)あっちゃんさ、
『1+1』っていくつだと思う?
いだだだだだ!!! 痛いよあっちゃん!! 京ちゃんのこめかみが悲鳴をあげてるよ!
貴様、私をバカにしてるだろ!
高校生相手に「1+1っていくつ?」だだと!? もう一度小学生からやり直させてやろうか!!
いだだだだ!!!! 違うよあっちゃん!! そういう意図はこれっぽっちも御座いません石官房長官!!
そうか、なら良い。
ひぃぃ~、頭が頭痛で痛いよ~。
で、なんだっけ?
うん、だから『1+1』はいくつだとおm
いだだだだ!!! だっだから!!! バカになんかしてません!!! そういう意図はございません!!!
本当か?
ほ、本当です!! 保健委員の小浜京を信じてください!!!
ならいい。
ううぅ、文化部とは思えない握力だねあっちゃんは・・・。
で、『1+1』がいくつかだって?
うん、そう。
そりゃぁ、『2』に決まってるだろう。
ふふふ・・・・。
果たして、本当に『2』なのでしょうか?
・・・・やっぱり小学生からやり直した方がいいんじゃないか、京。
確かに『1+1=2』だよ。
1個のりんごに1個のりんごを足したら、合計2個だからね。
当たり前のことをわざわざ解説どうも。
駄菓子菓子!!!
果たして本当に『1+1=2』となるのか?
? どういうことだ?
さっきの例で言うと、1個のりんごに1個のりんごを足したわけじゃん?
ああ、それでりんごは合計2個だろ?
じゃあ、りんご自体はどうなの?
はぁ?
『1+1=2』はりんごの個数の話しなわけじゃない。その足されたりんご自体はどうなのかなっていう。
そりゃあ、加工されたりとかなきゃ、りんごはりんごだろ?
つまり、りんごはりんごのまま、変化がないと、あっちゃんは考えるわけだ。
考えるっていうか、常識の範囲内のことだと思うんだが。
つまり、りんご自体はこの数式『1+1=2』の範囲内に収まっていないと。
あくまでこの整数『1』と『2』は、『りんご』の個数を言ってるんであって、『りんご』は眼中に無いと。
そういうことだよね?
そ、そうなのかも・・・しれない。
つまり!
『1+1』が必ずしも『2』にはならないということだよね!
ちょっとまてーぃ!
はい、あっちゃんどうぞ!
・・・・・・。
・・・・・・。
・・・・ワカラン!
つまりだよ、この『1+1=2』は個数の計算であって、りんごにりんごを足してもりんごのままなんだよ。
???
う~ん、じゃあこの鉛筆をりんごの代わりにしよう。
ここに1本の鉛筆があります。
うむ、あるな。デザイン機能性共に優れているト●ボ製だな。
これに、もう一本同じ鉛筆を足します。
数式で表すと、これも『1+1』だな。
数式の答えは置いといて、じゃあこの鉛筆は?
・・・・鉛筆だな。
さっきまでの鉛筆と何か変わったところは?
何もないな。
じゃあ『1+1』を、 1=鉛筆と仮定して計算してみると、
・・・・鉛筆に鉛筆を足したって鉛筆のままじゃないか。
そう! つまり!
『鉛筆+鉛筆=鉛筆』となるわけだよね!
まぁ、そうなる・・・のか?
じゃあ『1+1=1』が照明されたわけだね!!
いやいやいや! どうしてそーなるんだ!
だって、1=鉛筆と仮定して計算して、鉛筆に鉛筆を足しても鉛筆のままだという答えが出たわけでしょう。
『鉛筆+鉛筆=鉛筆』が照明されたんなら、『1+1=1』でも間違いじゃないって事だよ!
・・・・はぁ。
ふふふ、京は宇宙の真理にまた一歩近づいたよあっちゃん!
1+1が必ずしも『2』であるとは限らない・・・・くうぅ、これは名言の予感がするねぇ!
・・・・いや、待て京。
ん?
確かに鉛筆に鉛筆を足しても鉛筆のままだな。
うん、だから『1+1=1』も間違いじゃないってk
ここでは無理だが、実際に鉛筆が足されたと仮定しよう。
え? う、うん。
1=鉛筆と仮定した場合、『鉛筆+鉛筆=鉛筆』なのは間違いないだろう。
加工手順で間違わなければ2本の鉛筆の合体した鉛筆が出来上がるわけだからな。
うんうん。
じゃあ聞くぞ京。その『鉛筆+鉛筆』から出される『鉛筆』は本当に『鉛筆』か?
ええぇ!? そ、そりゃあ鉛筆は鉛筆だよあっちゃん! 鉛筆からバスケットボールが出来たらノーベル賞モノだよ! 錬金術もビックリだよ!
・・・・本当に?
うん!
じゃあ『1+1』はやはり『2』しかないな!
ちょちょちょ!? タイムターイム!
はい、京さんどうぞ!
いやいやあっちゃんさん、あなた自分で言ったじゃない?『1=鉛筆』と仮定した場合って。
ああ、言ったな。確かに言ったな。
じゃあ、何にも問題はないよね?
ああ、
『加工された鉛筆が加工される前の鉛筆と一緒』だったらな。
・・・・ほえ?
『1=鉛筆』と仮定した場合、それはつまり『鉛筆=1』とも考えられるわけだ。
となると、京式数式『1+1=1』に鉛筆を代入すると『鉛筆+鉛筆=鉛筆』になるんだな。
そ、そうだよ~。それはさっきから言ってるじゃn
ならば、『鉛筆+鉛筆』から出される『鉛筆』は、足される前の『鉛筆』と同じでなければならないはずだ!
ちょちょちょちょっと待って!? 言ってることがイマイチ分かんないよ!
そうだな、文字にした方が分かりやすいか。
『鉛筆(1)+鉛筆(1)=鉛筆(1)』
カッコ内の1は『1=鉛筆』の照明だ。変に考えなくていいぞ。
う、うん・・・。
で、私が言いたいのはこういうことだ。
『加工前の鉛筆(1)+加工前の鉛筆(1)=加工後の鉛筆(2)』
・・・・ああ!
『1+1=1』は『1=1』だ!
ということは、2本の鉛筆を足して加工された鉛筆は、加工前の2本の鉛筆と同じ物でなければならない!
だけど実際問題、加工された鉛筆が加工前と一緒の形を維持できるわけがない!
そうすなわち!
京の『1+1=1』は否定されたわけだ!
うぎゃぁー!!!
バタン
ふふふ、中々面白かったぞ京。それでこそ私の見込んだ幼馴染だ。
ううう、せっかく世紀の大発見だと思ったのになぁ。
まぁ、いい暇つぶしにはなったぞ。
さいでっか・・・。あ、借りてたCD返すね。
ん、なんだもういいのか。昨日貸したばかりじゃないか。
うん、あんまり好みの曲じゃなかったs
いだだだだだだだだだだ!!!
まったく京の奴め、私のお気に入りアーティストを侮辱するとは・・・。
寝る前の日課を惜しんでまで貸してやったというのに・・・。
まぁいいか、こうして早く帰ってきたわけだし。
それじゃあさっそk・・・
ピポパポ トゥルルルル ガチャ
あ、あっちゃんこんな時間にどうしたの?
京、『1+1』って『2』以外にもあるって知ってるか?
~終劇~