居間で遊んでいると、 いつの間にか 結構な時間が経っていた。
つーかよ、 俺たちは土日に ゲームしかやることないのかよ…
うるせぇな。 十分青春してんじゃねぇかよ。 PSP面白いだろ。PSP
なんだか、涙が出てきそうだぜ
…知ってる? 涙って、 元々は血でできてるんだぜ?
……まさに血涙という奴か…。
………少し前から 気になってるんだけどさぁ
なんだ?
なんか、今日、 重力が重くない?
……何を言っているんだ。 重力が重いって。当然だろ。
いや、いつもより重いんだよ。 おかげでダルい…
ふははっは! これがメガトングラヴィティか…… 御主もやるのぅ……
俺は何もしてねぇよ
ノリの悪いやっちゃなぁ… おどれ、 友達とかいないんちゃうんか?
なぜ京都弁になった。
……友達くらい……いるさ。 お前とか……あとは………… とにかくお前とかだよ。
い、いねぇんじゃねぇかよ…… なんかゴメン
あ、そーや。 コンビニでお菓子買ってこようぜ。
おいおい、 もう俺の財産はとっくにゼロだぞ?
私は破産していないんだよ。 おごってやるから、ほら、行くぞ
ほれほれ、走らんか
そんなに急がなくてもいいだろ? あんまり急ぐと、生き急ぐと、 転ぶぞ……?
大丈夫だっての!
この時、本当に後悔している。 何が何でも、 走らせるんじゃなかった。
舗装された歩道の、 転ぶ要素のない道で。
彼女の上半身が、 人形みたいに倒れていって、
アイツはきょとんとした顔で。 何がおこったかもわからずに。
遅れて、 下半身が引きずられるように、 ぐいん、と倒れた。
お、おい!お前、大丈夫か!?
随分と、派手な転び方だった。
彼女の奇麗な、小綺麗な腕が、 傷ましい傷と少しの血で汚れる。
あ、あれ…? なんか起きれない………
お、起きれない……起きれないよ…
手、手ぇ貸してや…!
お、おう
うん、ありがとう。
………お前…
さっき、体、重いって。
いってたよな。
いっそ、気づきたくなんかなかった