“特に何にもない、そんな世界で。6”

キーンコーンカーンコーン

ガヤ・・ガヤ・・

よっし!待ち遠しだった昼休みッス~!

なによ、今日はカレー特盛でもするの?

あ!良いッスね!

今日はカレー特盛ッス~♪

アンタの胃袋はどうなってんのよ!

自分の胃袋は宇宙ッスから!!

イラッ

テヘペロ

まぁいいわ。そんな、アンタにお客さんが来てんのよ。

?自分にッスか?

そそ、そこにいる人なんだけど・・・

と、指さした先にはクラスの出入口に一人の生徒が立っていた。

あれ・・・あの人は・・・・

昨日、裏校門で出会った・・・。

・・・・・ッ!

その女子生徒を見た瞬間、嫌な頭痛が頭に響く。

(この頭痛は・・・いったいなんなんッスか・・・)

ちょっと、顔色悪いわよ?大丈夫なの?

あ、

だ、大丈夫ッスよ!

ホントに?無理なら気分が悪い、ってあの人に帰ってもらうように伝えるけど・・・。

心配には及ばないッスよ!

自分の取り柄は元気なんッスから!

そ、そう?ならいいんだけど・・・。

はいッス。だから、ちょっと失礼するッスね。

気分悪くなったら、ちゃんと保健室に行きなさいよ?

もう、心配症ッスねぇ!

自分なら、こんなに元気なんッスから!

はぁ、わかったわよ。行ってらっしゃい。

はいッス!

それじゃ後ほどッス~。

とは言ったものの、その女子生徒に近づくにつれて頭痛と動悸が激しくなっていく。

まるで、反発し合う磁石のように、近づけば近づくほど、その胸騒ぎが大きくなり続ける。

(なんなんッスか・・・この妙な感じ・・・)

胸騒ぎは、その女子生徒に対し拒否反応を示すものだ。しかし、足はゆっくりと、女子生徒の前へと向かった。

こんにちわ、私は2組の黒田 佳奈子。

不躾な質問ですが、いいかしら?

は、はいッス。

昨夜、私たち会ったわよね?

・・・・。

ッ!

はい、今、想い出したッス。

くっきりと・・全部・・・・

そう・・・なら話は早いわね。

校舎裏まで来てもらうわよ。

はい、ッス。

・・・一つ、質問をいいかしら?

え、あ、はいッス。

私が昨日負った瀕死の傷を治療・・・いえ、治癒したのはあたなかしら?

いえ、・・・・自分は、何も・・・。

・・・・・。

・・・知ってる?人間は嘘をついた時、3秒以上同じ方向が見れないのよ?

え!?

フフフ・・・嘘よ。アナタって、騙され易い人ね。

あ・・・あぅ・・・

ま、だいたいは分かってる。アナタが私の傷を癒した、

治癒の能力を持った子だって。

そんなもの、自分には無いッスよ!

だ、第一、そんな能力あったら、スーパーマンッスよ!アメージング・ワタシッスよ!

フフフ、面白いわね、アナタ。

でも、気にはしなくていいのよ。

どうやら、アナタも私と『同じような能力』をもっているのね。

え、『同じような能力』・・・?

そう。あらゆる者に『救いの手』をさしのばせる力が・・・・。

「たぶらかしは、そこまでだ。」

!?

唐突に聞こえた声に応えるように、彼女達二人の間を遮るように、ブワッ!!っと一陣の風が吹く。

「見知らぬ生徒と密会をしてると思えば、まさか・・・」

一陣の風は徐々にまとまり、人の形を形成してゆく。

とんだ化け猫ね・・・。

そこには、鈍く光る日本刀を構える、生徒会長が凛ッ!と参上した。

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Posted at 2012/07/01 03:07 Viewed 19 times

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気づけはめっさ新キャラ増えてましたから、もったいぶらず使っていきます。脳内補正よろです!      ※このお話はシリーズとなっています。なので1から見ることをオススメします。

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