うう、朝は弱いよ~。
ほら、学校へ行く支度をしてください。
ぐー。
寝ないー!
テレビ「今日の乙女座の運勢は最悪」
がーん!
もう学校行きたくない。
そんなことで休まないでください!
宇佐美さん。
はい?
お久しぶりですね!
あー! 寧子さん!
え!? 本当に!? 残像じゃないよね!?
あなたはいつも変わらない発想をしますね。
それは酷い!
でもでも! 久しぶり~!
さ、さすがに急に抱きつかないでください。
おっとごめん。
今から学校ですか?
うう、学校なんて休んでしまおうかな?
それは駄目ですよ!
だって寧子さんともっと話がしたいんだもん!
気持ちは嬉しいですが、ちゃんと学生の本分をしっかりと行ってください。
はーい。
ところで今日はどうしてここに?
荷物を取りに一時帰国です! それと宇佐美さんにも会いたくて。
じゃあさ! 今日の放課後お話しよう!
いいですね~! じゃあ場所は私が決めておきますね!
宇佐美さん! 忘れ物…
ん?
は!
こ、コイツはしゃべる人形で!?
ふーん。
だ、だから…
技術の発達はすごいですね!
そ、そう!
あ! 私そろそろ学校に行かないと!
それじゃあ後で!
バビューン!
また後で~!
誰も来ない場所を用意しておきますね。
まさか寧子さんに会えるなんて。
今日はついてる!
・・・。
うん? どったの?
あの人… あまりいい感じがしませんでした。
いつもどおりの寧子さんだったよ?
それならいいのですが…
キーンコーンカーンコーン。
ヤバッ! 遅刻する!
急ぎましょう!
セーフ♪
5分遅刻っと。
ガーン!
そして宇佐美にとって退屈な学校の授業が終わり…
今日も終わった~!
さて、寧子さんに会いに行こう!
あの人には近づかない方がいいと思います。
はい?
とてつもなく嫌な予感がして…
そんなこと言うなー!
でも!
寧子さんは私の大切な親友だよ! いくらウサマリーでも言っていい事と悪い事があるよ!
それについては謝りますが、あの人はやはり危険です!
ええーい! 私は会いに行くの!
ああっ! 待って!
寧子さんのメールによるとここのはず…
宇佐美さん!
寧子さん!
また会えてよかったです!
私もさ!
何かお話でもしながらここでまったり過ごしましょう!
あ、あのね。 実は寧子さんにお願いが…
偶然ですね! 私もお願いがあったんです!
そちらからどうぞ。
外国ってどんなところ?
そうですね…
一言で言うと、脆いですね。
脆い?
はい。
建物とか脆いってこと?
ですね。
そうなんだ。 で? そっちのお願いって?
簡単なことですよ。
わくわく。
宇佐美さんにはここで果ててもらいたいんです。
・・・。
はい?
フィールドダイブ。
こ、これって!?
フシュ―。
うわあああああ!
ドシン。
アタッ!
これには慣れないよ~。
そ、それよりもここは!?
私のフィールドです。
ね、寧子さん!?
ど、どどどどうして寧子さんが!?
どうやら、まだわかってないようですね。
変身。
キュピーン。
フフ。
ね、寧子さん!? その格好!?
そういえばまだ名乗っていませんね。
私はアニマールズの幹部、そしてアニマールズの魔法少女寧子なんですよ。
そ、そんな!? どうして!?
そうですね、元友達のよしみで特別に教えてあげましょう。 私がなんで魔法少女になり、アニマールズに入ったのか。
私は両親とは血が繋がってないんですよ。 つまり捨て子です。 拾われた私はその両親に育てられました。
しかしそんな両親は自分の身は自分で守れということで食事は与えられるものの、ろくに相手もしてくれなかった。
暴力は多かったですがね。
そんな私も高校生になり自分の生活費は自分で稼ぐことにしたんです。
ですが、その両親は私のお金をギャンブルに使うなどをしていたことがわかったんです。
私は抗議しようとしましたが、私はその両親が私より強く、怖くてずっと反論できずにいました。
もう嫌だ、こんな恐怖に怯える生活には耐えられないと思っていたその時、
た、ただいま帰りました。
・・・えっ?
そこにあったのは両親の変わり果てた姿。
それともう一人、
ふう、全く。 私の尻尾を踏むからこんなことになるんだよ。
・・・。
ん? 見たな。
!?
ごめんなさい! 誰にもいいませんから!
・・・。
だから! 命だけは!
素質がある。
は、はい?
お前、魔法少女になって私の部下になる気はないか?
魔法少女?
そうだ。 この世界を一緒に修正してみないか?
・・・。
お前と同じ境遇の奴は多々いる。 しかしそれに目を向けていない奴らが多い。 ならそんな世界はない方がいいだろう。
・・・。
ここで死ぬか、魔法少女になって世界を修正するか。 選べ。
・・・。
私の名はキャッツ。 世界を修正するものだ。
・・・。
キャッツ様についていきます。
いいだろう、お前、名は?
寧子と申します。
寧子、アニマールズへようこそ。
そんなことがあったんだ。
アニマールズはいい。 強いものが上に立つ場所だからね。
強さがあれば全てのアニマールズ部下は私のいいなりになるのだよ!
しかしアニマールズの世界征服も最近は少し遅れている。
それは宇佐美! お前が魔法少女になったのが原因なんだよ!
わ、私は! 私はただ弱い人を守るために!
それは詭弁です! 実際私はそうしてもらえなかった! 何度もサインを送っていたのに!
そ、そんなの気付かないよ~。
もう過ぎたことだからいいです。
それに今回の本当の目的はあなたがどれだけ強くなったか試しに来たんですから。
さあ! 早く変身して! そしてどっちが本物の魔法少女か試そう!
私はそんなことしたくないです!
そう…
なら力づくで変身させてやるわ!
うわー!
はたして宇佐美の運命は! 後編へ続く。