さて着いたわよ!
ずいぶん、古そうな神社ですねー。 今日はなんでここに来たんですかー?
ここ……出るらしいのよ。
で、DELL?
そう、PCはやっぱりDELLよねぇー!
って、おい!
さすが先輩!ノリツッコミはピカイチですね!
口頭では分からないようなギャグするんじゃないわよ。
とまあ、さておき。
幽霊に決まってるでしょ!
ゆ、幽霊!?
幽霊なんているわけないじゃないですかー。
それがね、ここは昔、落ち武者となった霊の祟りを鎮める為の神社なのよ。
でも、その霊は成仏することなく今も漂っているらしいの……。
な、なんでそんなところに私を連れてきたんですか。
おもしろそうだからに決まってるでしょ! 私一人だと盛り上がるにかけるし。
で、写真部のこいつを連れてきたのも。
いやぁー、我が写真部としては心霊写真が撮りたいからさ!
今日は休みなのに、わざわざありがとう!
気にしないでよ!
それじゃあ、早速一枚撮るよー!
あっ、待って待って!
笑って、笑って!
はい、チーズ!
パシャッ!
うん、よく撮れてる……よ?
あっ、あれ?
ど、どうしたの?
ま、まさか本当に出た!?
あっ、うん……これは出たのかな?
ちょ、ちょっとデジカメ見せなさい!
……。
ん? 真ん中になんかいる?
あっ、本当だ!
試しにデジカメで写真拡大してみよう!
……。
……。
で、出たーー!
う、噂は本当だったのね!
ええ、やっぱり本当に幽霊は!
いたのか!?
で、出たぁーーー!
えっ、俺は幽霊じゃないぞ!?
えっ、そういえば足があるし……あなたは一体誰なんですか。
俺はここの神主だ。たまたま社を掃除してたら、かわいい女子二人が見えたからな。
アピールしてたわけだよ!
な、なんだー幽霊はいなかったんですね!
ちっ、せっかく心霊写真撮れたのに。
まあ、これで噂の真実はただの変態な神主さんがいたことに片付いたね。
ねぇ、ひどくない!? それひどくない!?
仕方ない、今日はこれで帰りますか!
はーい!
まったく、とんだ女子二人組だ……。
ん? 写真?
……。
ね、ねえ聞いた?
う、うん。あいつ車に轢かれたって。
でも、あいつ轢かれたの、この前学校あった帰りだって……。
えっ……それじゃ、あのとき写真撮ったのは……。
しかも、あいつ休日なのに制服のままだった……。
終わり。