あれ、ここは…?
……。
!
カトリーヌじゃねえか。ここは?
保健室よ。アンタ、空き教室の前で倒れてたみたいよ。
そっか。俺が目覚めるまでずっとそばで看病してくれてたんだな。ありがとう。
勘違いしないでよっ。保健室の方が静かで勉強に集中できるから偶然ここにいただけなんだから。
何だよ、流行りのツンデレか?
うるさいっ!
アンタ今までどこほっつき歩いてたのよ! 皆で探してたんだからねっ!
悪い悪い。実は鬼咲せ…、
おっと。
…っ! 今何を言おうとしたの?
何でもねえよ。
嘘ばっか。今明らかに鬼咲先輩って言おうとしてたわよね。
ふーん。鬼咲先輩と今までずーーっと一緒だったんだ。二人で何してたの?
やましいことなんて何もしてねえよ。
やましいことしてないならちゃんと言いなさいよ! ガルルルルッ!
だから、お前が思ってるようなことは何も
ガブッ
痛えええっ! 噛むな! お前は犬か。首輪つけてやろうか?
うふふ…、桃くん大好き♡
よぉ、鬼咲。久しぶりだな。
ゆ、優鬼様ッ?! いつ戻られたのですか?
ついさっきだよ。俺がいない内に色々あったみたいだな。
えっと…、あの…。
言わなくてもだいたい分かってる。山賊部を乗っ取られたんだってな。
お前がいながら、何をやってるんだ。
すみません…、優鬼様…。
部室を奪った相手は誰なんだ?
あ! 桃くんには手を出さないで!
ほぅ…。やはりあの宿敵・桃太郎の末裔か。
しまった…。
いつか仕掛けてくるかと思っていたが、まさかこんなにも早くだとはな。
しかも俺の不在を狙っての悪行…。許せん。
お前には後でたーーっぷりとお仕置きしてやるから、覚悟しておけ。
さて…、どうやってアイツをこらしめてやるとするか…。
お…、お願いします…。彼には…、桃くんには何もしないであげて下さい!
何故そこまでしてアイツを庇う。
そ…、それは…。
お前、アイツに何かされたな?
…ッ!
…クンクン、この匂い…。
やッ?! そんな所嗅がないで…ッ!?
…お前。さてはアイツの"きび棒"を…!
そ、そうだよ…! 私は桃くんの事が好き。例え宿敵・桃太郎の末裔だとしても…!
……可哀想に。桃太郎に洗脳されてしまったんだな。
後でお兄ちゃんがその洗脳を解いてやろう。
だが俺には先にやることがある。
お前へのお仕置きは家に帰ってからだ。
アハハハ! それでね、ももがさぁ~。
ねぇ、君たち!
ん、何だい? お兄さん。
その制服、御伽高校だよね? 桃春くんって男の子知ってる?
ももはるさんは、同じ部員仲間ですわ。
そうなんだ。じゃ、一緒に来てくれないか? 彼が今そこで事故にあって…
えっ!? ももはるさんがっ!
嘘でしょッ!? ば、場所はどこですか?
こっちだよ! 俺に着いてきてくれ!
あの…。
ももはるさんは、どこにいるんですか?
君たちにとって、桃春くんはどういう存在なんだい?
それは…、
どうしようもない私たちに「お供」という存在価値を与えてくれたヒーロー…かな?
そうか、彼は君たちにとても愛されてるんだね。
でも、それも今日で終わり。
え?
ボカッ
ボカッ
うぅ…。
何これ…。いつの間にか私たち、拘束されてる…ッ?!
今日から桃太郎に代わり、君たちを"お供"にするのは、俺だよ。
あなたは一体…。
おいおい、これを見てもわかんねーか?(ジィ…ッ)
な、何出しやがってるですかッ?!
そ、その純金の光沢あるビッグマグナムサイズは…、もしかしてあの伝説の…ッ?!
そうだ。俺こそが、はるか昔桃太郎一味に絶滅させられたとされる鬼一族の末裔…、
その名も、優鬼だ!
俺のこの"鬼の金棒"で、屈服しなかった奴は万に一人といない。
桃太郎の末裔を倒す前に、お前たちから片付けておくとするか。
ももはるさん…、ごめんなさい。
私たち…、優鬼様のモノになっちゃった…。
あれェ…、真猿も雪路も連絡つかないなぁ?
優鬼が真猿と雪路を支配した。次に狙われるのは…、カトリーヌ?!
次回に続く!