間違いないってば!
ここ、誰かがいたはずなんだよ。
またか、おまえは。
本当なの。 だって、机も椅子もあるし……。
誰も使ってなかったんじゃねーの。
っていうか、 先生にでも聞けば一発でわかるだろ。
聞いてみたんだけど……。 それらしい人はいないって……。
んじゃ、いないんだろ。
っていうか、俺も知らないし。
そう……。
ねえ、知ってる?
クラスの人数が ……減ってるんだって。
は?
だから、ほら……。 こないだから、机と椅子の数が……。
バカバカしい。
人が減ってりゃ、誰か気づくだろ。
それが、名簿とかにも…… 名前が載ってないんだって。
んじゃ、減ってないんじゃねーか。
いや、だから。 そこがミステリーなんだってば。
知らねーよ。 くっだらねー。
うわ、冷たいなあ。
もっと女の子に話あわせないと、 モテないよ。
余計なお世話だぜ。
あー、めんどくせえ。
教室に忘れ物しちまうなんてな……。
おっと。
なんだ、あいつら。
あんなところで、 堂々とイチャイチャしやがって…… 窓から丸見えだってのによ。
お色気教師と生徒のイケナイ関係…… うらやましいねえ。
まあ……いいか。
ほっとけほっとけ。 他人のことなんだからよ、っと。
お。あったあった。
ん……。
なんだ、あいつ……?
そう……大変だったね。 イタズラされちゃったんだ。 かわいそうに。
今、あそこの机に向かって ……話しかけてなかったか?
それじゃあ……帰るね。 また明日。
行っちまったよ……。 なんだありゃ?
薄気味悪いな……。 おっかねえことしてんじゃねーよ。
この机のせいで、 みんな気味悪がってるってのによ。
だいたい、テメーは誰なんだよ。
オラ答えろよ、机ェーッ!!
……って、机がしゃべるわけねーか。
なんだ……これ? なんか書いてあるぞ。
『あなた誰なの?』
……う。
やべえ。 なんか寒気してきた。
さっさと帰ろう……。