・・・ギャーッ!! なんなの、これは!?
お城の中が・・・。
カエルだらけに・・・。
そ、総統閣下は────!?
そ、総統閣下!? ご無事ですかっ・・・?
────大事ない。
それより、客人の前だ。 静かにせい。
客人・・・ですか?
死魔界から、わざわざ妖魔界まで訪ねてくれた者がおる。
これはこれは・・・ずいぶんお美しい部下がいらっしゃるのですね。
死魔界の者が、妖魔界にいったい何の用があって・・・?
それに、あのカエルは・・・?
じつは先ごろ、死魔界が蛙魔界を勢力下に収めました。
なんですって・・・!?
今日はそのご挨拶と・・・。
妖魔界の統治者であらせられる、あなた様────総統閣下に婚礼の申し込みに来たのです。
婚礼の申し込み、だと・・・?
無礼者めが!!
貴様ごときが総統閣下を娶るなど、本気で言っているのか?
先代総統の庇護下にあった、死魔界ふぜいの者が何を言う!
勘違いをなさっては困りますね。
総統閣下に結婚していただく相手は、このカエルどもでございます。
何を寝ぼけたことを口にするか!
フン・・・人間世界の侵略すらままならないエビルレヴォリュショーン軍団など、もはや用済み・・・。
蛙魔界と同様に、妖魔界も・・・この死魔界のものとなるのです。
その話・・・断らせてもらおう!
オセ、フォックス・・・! こやつをここから叩き出せ!
ゴーゾムソドーム!!
ゴーゾムソドーム!!
ほう・・・威勢のいいお嬢さんたちですな・・・。
よかろうっ・・・貴様らにも、カエルの子を産ませてやろう!!
ップひぃーッ!! かっか・・・カエルたちがぁーっ!
ゲロゲロ・・・。
ゲロゲロ・・・
グワッグワッ・・・グワァーッ!!
この数・・・マズいわね!? ・・・新入社員クン!
はっ、ハヒィーッ!!
総統閣下をお連れして、ひとまず安全な場所にお逃げなさい。
逃げていいんですかっ!?
閣下を隠せって言ってるんだよ!
ら、らじゃーッ!!
あ、こら・・・勝手に・・・。
ご無礼お許しめされぇ~っ!!
逃げても無駄だっ・・・追えっ!!
ゲロゲローッ!!
そうはさせないわよ。
我らが生きているかぎり、ここは一歩も通さぬっ!!
愚かな・・・城内はすでに、我らの手勢によって占拠してある。
貴様ら全員、袋のネズミだっ!
ならば・・・ここでキサマを倒す!
そのあとは、ゆっくりとカエル狩りでもしようかしらね。
・・・ハヒーハヒー!!
こらっ!! 落ち着け!
す、すみません・・・。
オセとフォックスに任せておけば、心配はいらぬ。案ずるな。
で、でも・・・魔界カエルが、あんなにたくさんいたら・・・。
いくらあの二人でも・・・。
う・・・。
ううっ・・・。
ああっ・・・すみません、すみません・・・総統閣下!
だって、だって・・・。
泣かないでくださいよ~。 ボクが悪かったですから~。
そ、そうだ・・・!
ボクが助けを呼んできますから・・・総統閣下は、ここに隠れていてください!
うう・・・わかった。
でも、一人だと・・・さびしいから・・・早く戻ってこい。
ごっ、ごご・・・ゴーゾムソドーム!!
ふぁ~ぁ。
もう朝かぁ。
そろそろ寝ようかな。
逆だろっ!! 朝なんだから起きてろよ!
でも、徹夜でゲームしちゃったし。
そもそものライフサイクルが狂ってるんだよ!
でもさ・・・よくよく考えてみると昼間に働くって、おかしいよね。
自然に暮らしてたら、人間ってほら・・・動物だからさ。夜行性になるんじゃないかなー。
てめぇのダメ人間生態学なんざ、どうでもいいんだよっ!!
えー。でもさー・・・。
ヘプッ・・・へるぷみゃー!!
ヤマー
お願いですっ・・・!! 助けて・・・助けてくださいっ!
テメーら魔界のウチワのモメゴトなんざ、知ったこっちゃねーよ。
そんなぁ・・・。
しょうがないなー。 何すればいいの?
たっ、助けてくれるんですか!?
いくらもらえるの、それ?
最終局面を迎える、源十郎の戦い! そして、舞台はついに ・・・家の外!!
二十九年の鬱屈が 今こそ煉獄の炎と化して ・・・敵を焼く!!
次回! 魔法少女岩田源十郎四十四歳 『明日から本気出す』 ──ワナビのキミも、お楽しみに!!