ちゅん・・・ちゅん・・・
可愛らしい家具や、ペンギンなどの女の子が好きそうな物が飾られた部屋。
その部屋にけたたましく目覚まし時計のベルの音が鳴り響く。
しばらくし、その猛威をふるった目覚まし時計はベットから伸びた手に止められた。
ん・・・
んあーーー!!よく寝たッス!
上半身を起こし、大きく背伸びをする。
ってあら?私の部屋?
わ、私、いつの間に帰ったんッスかねぇ・・・?
ん~・・・。
と言うか、なにかとっても大切な事を忘れている気がするッス・・・
んーんー・・・。
おーい!起きてるのー?学校遅れるわよー!
え・・・って、わぁ!もう8時!?
もう!お母さん!起こして欲しいッス!
ドタドタ・・・。
タッタタタ・・・
ふー、ここまで来ればもう、大丈夫ッスね。
いやはや、まさか寝坊するなんて思わなかったッス。
(でも、なんで寝坊したんッスかねぇ。自分的には朝は強い方だと思ってたんッスけどね・・・)
(ま、考えてもわからないことは、無駄ッスから、明るくニコニコ行くッスかね)
そうして、しばらく歩くと同じ学校の列に加わる。
通学路の商店街は生徒や社会人で、田舎の商店街としてはなかなかの賑わいを見せていた。
ん?
と、電気店のウインドウに展示されているテレビに視線が止まる。
詳しく言えば、テレビに放映される朝のニュース番組だ。
地元に根付いたニュース番組なのか、この近辺の情報や、ちょっとしたネタを放送する番組だった。
『次のニュースです。』
『先日、田原病院から輸血用の血が無くなっている事が発覚しました。』
『院長の田原氏は「看護師達の不注意だった」「対応には以後気をつける」と言った。』
『盗まれたのでは?と言う質問に対し、「それは絶対にない、警備は完璧だった」と発表しています。では、続いてのニュースは・・・』
うひゃー、
無くしただけでこんな騒ぎなんて・・・!
私だったら、毎日、謝罪会見ッスね!
アナタ、それは笑顔で言う事ではないわよ。
わぁ!ぶ、部長!い、いつのまに。
フフフ・・・抜き足差し足は基本スキルよ・・・。
さ、さすが部長。すごいッス!
いや、後輩。貴様がテレビに釘付けで気づかなかっただけであろう。
あ、先輩もおはようございますッス!
うむ、今日も元気が良いな、後輩よ。
それが自分の取り柄ッスから!
ところで、昨日はどうだったのよ。
生徒会長さんの事ッスか?それなら、もちろん、バッチリと手伝って来たッスよ!
よくやったわ。後輩一号。これで娯楽遊戯部は、あと10年は戦える。
ジーク・娯楽遊戯部!
さ、後輩よ!貴様もリピートアフターミー!
あ、はいッス!
ジーク・娯楽ゆg・・・
ヒュン!
ゴン!
タ・ト・バ!?
だ、大丈夫ッスか!先輩?!
ふっ・・・あの女狐め・・・。昨日といい、今日といい、修正が必要らしいな・・・。
あんな生徒会長、俺が修正してやる!!
ダッ!!
ザッ!
やはり居たか、女狐め・・・ッ!
アンタ、我が後輩になんて事を言わせんのよ!
ふん!貴様に何を言われようと関係ないな!
第一、貴様は娯楽遊戯部のメンバーではなかろう?
ならば、俺が後輩に何をしても異議はないだろ?
私はストーカーとして、我が後輩を見守る義務がある。それ以上でもそれ以下でもない!
ふ、思いが拮抗するならば・・・あとは力のぶつかり合いのみか!
よくも後輩に対する私の想いを・・・!!恥を知れ!俗物ッ!!
ドガ!バキ!ドグシャァァ!!
ドドメシャァァァア!!
あの二人は相変わらずね・・・。
そうッスね!相変わらず楽しそうッスね!
あ、そうそう、後輩一号。
はい?なんッスか?
今日は私、用事あるから、今日の部活は無しよ。
マジッスか?
まぁ、とりあえず、了解ッス!
今度、おいしいお菓子もって行くから、それで我慢なさい。
やったッス!楽しみに待ってるッス!
んじゃま、学校行きましょうか。
はいッス~♪
オノォォォレぇぇぇ!!
倒す!倒すわ!