ゴゴゴゴゴゴゴゴゴォッ・・・!!
何のッ!! 変哲もない、校舎裏ッ!
今からここで、とてつもないことが始まろうとしているッ!!!!
ほ、本気なのかよ!? まさはるっ・・・!
校舎裏に呼び出して、いきなり告白するだなんて・・・。
相手はクラスで一番の美人、相沢げな子さんなんだぜェーッ!
このオレの熱くたぎる思い・・・もはや誰にも止められんッ!
勝算はあるの? ないの? どっちなのォーッ!?
この日のために、一週間かけてラブレターを書いた!
これだけの備えがあれば、問題なかろうなのだァァァッ!!
来たぞッ!! まさはるっ!
あの女だッ! 平然と澄ました顔でやってくるゥ!
ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・。
ズモォォォォォォォォォォン!!!!!!!
この距離でッ!! 告白ッ、するのかっ!?
二人の間は3メートル! まさはるの射程外だッ!
だがやるっ!! まさはるは、そういう男だッ!
相沢さん・・・いや、げな子!
好きだっ! まずはこの手紙を読んでくれ!
フン・・・。
何よっ、こんなもの!
ビリビビビビビィィィィーンッ!!
て、手紙をッ!?
ドッジャァァァァァーン!
あ、あの女・・・まさはるが一週間かけて書いたラブレターをッ!
一瞬の躊躇もなく破り捨てたぁーっ!
男らしくないわねッ・・・! 言いたいことがあるなら、自分の口で言いなさいよ!
ズゴゴゴゴゴ ゴゴゴゴゴゴォッ・・・!!
直球すぎる正論ッ!
まさはるは、かなりのダメージを受けているはずっ・・・!
い、いや・・・違う!?
なぜだ? 何が起こったぁーッ!?
どうしてアイツは笑っているんだぁーッ!?
クハハハッ・・・クフフフフゥー!
フッフゥー。たしかにキミの言うとおりだ・・・げな子!
何がおかしいのよ!
私だって、あんたのこと好きだけど手紙なんかじゃ返事しづらいじゃない!
バギュウウゥゥゥーンッ!!
お、おまえらっ・・・!
両想いなのかァーッ!!
私のことが好きだって言うのなら、手紙じゃなくて・・・行動で示して!
このときッ!! まさはるは思った!
「おたがいに好き合っているのに、なぜそれを行動で示さなければいけないのだろう?」
普通の男なら「そんなことは必要ない」とも「もうわかってるじゃん」とも考えるだろう!
一度も女と付き合ったことのない男にとっては、理解のできない要求をされているのだッ!!
だが、まさはるはこう考えるッ!
「オレの好意を・・・絶対的な恋愛感情を────」
「この女に、わかりやすく、これ以上なく明確に、示さねばならないッ!」と────!!!!
ドドドドドドドドド・・・!
廊下ッはァァァァァーッ! 全力ッ、疾走ッ・・・でぇーッ!
まさはるがッ! 廊下をッ、階段をッ!
走り抜けて、駆け上っていくゥゥゥーッ!
オレは今・・・ここから飛び降りようとしているッ!
それが愛! オレが見せられる、愛情の証明となる行為だからだっ!
飛び降りながら「好きだ」と叫ぶことで、効果倍増間違いなしッ!
ボッファァーッ! 本気かまさはるゥゥゥ!!
この高さッ! 落ちれば確実に死ぬッ!
先生に連絡しなくっちゃ。
停学ッ!! 二週間であった!