『山田銀行:後編』

【店員】 お客様!! おめでとうございます!

【山田】 なんの話?

【店員】 まもなく、お客様からお預かりしていた山田が満期になります。

【山田】 そんなのどうでもいいから・・・。

【山田】 ちょうどお時間でございますね。

【山田】 え・・・?

【山田】 この世に・・・山田は、一人いれば充分ですから・・・。

【山田】 ちょ・・・あの、何の話・・・?

【山田】 今日から、本物の山田は・・・。

そこまで聞いて、怖くなって銀行から飛び出した。

【山田】 な、何が・・・。 何が起きてるんだ?

【山田】 山田が満期・・・? 利息がついた、ってことなのか?

【山田】 冗談じゃない! 誰かっ・・・。

道を歩く人に、助けを求めた。

【山田】 ん?

【山田】 どうしたの?

【山田】 ヒィィィィッ・・・!?

町は、山田だらけになっていた。

【山田】 キミ? もしかして、山田かい?

【山田】 呼んだ? オレも山田だけど。

【山田】 おっと・・・こんなところにいたか、山田・・・くん。

【山田】 く、くるなっ・・・!! やめろぉぉぉぉ・・・!

山田だらけの人並みをくぐり、必死に走り抜けていく────。

【山田】 ハァハァ・・・はぁ・・・。

【山田】 どうなっちまうんだ、これ・・・。

【山田】 イヤだ・・・誰か・・・。

【金子】 お、山田っ。

【山田】 ひっ・・・!?

【金子】 めずらしく一人なのか。 さてはフラレたな?

【山田】 か、金子・・・?

【山田】 なんだよー。 何ビクついてんだよ。

【山田】 かね、こ・・・。

【金子】 お金なら貸さないよー。

【山田】 助け、て・・・。

【金子】 え?

【山田】 おまえしか、いないんだ・・・。

【金子】 い、いきなり・・・何を・・・。

【金子】 私が山田なんかと・・・。

【山田】 お願いだ・・・そばにいてくれ。 オレには、もう・・・おまえしかいないんだ。

【金子】 え・・・本気、なの?

【金子】 それなら、い・・・いいよ。

それから、どのぐらい時間がすぎただろうか────。

気がつくと、町はすっかり元通りになっていた。

でも────。

【山田】 あれは、何だったんだろう・・・?

【金子】 や~まだぁー!

【山田】 な、なんだよ・・・。

【金子】 ヒマだからさ・・・。 どっか行こう、って・・・誘え!

あなたは、ご自分の姓に不満を持っていませんか?

【────】 いらっしゃいませ。 ────銀行へようこそ。

B
e
f
p
q
r
s
K
O
キーボード操作
  • J 次のページ
  • K 前のページ
  • [ 最初のページ
  • ] 最後のページ
  • E フキダシのモーションON/OFF
  • 0 自動ページ送りOFF
  • 1 自動ページ送り (おそい)
  • 2 自動ページ送り (ふつう)
  • 3 自動ページ送り (はやい)
  • P 自動ページ送りの停止/再開
  • ? キーボード操作の表示
もう一度みる
他の作品をみる
公開日 2012/10/20 14:48 再生回数 8

みんなのコメント

ログインしてコメントを書く…
めんぱち さん:

>佐賀の隠し酒さん
岩鬼いいっすよね! 野球のルールは知らなくても、岩鬼はよく知っている。何を言ってるか自分でももうよくわからないけど、読んでくれてありがとう!


佐賀の隠し酒 さん:

最後のやーまだぁーがドカベンの岩城ボイスで再生されてハッピーエンドが台無しに。


めんぱち さん:

>mousoutakusanさん
モウさんもたまには、ハーレム物でも自作してみるとか? 壁が壊れないうちにw なにはともあれ、読んでくれてありがとう!


1