ご、御主人様……。
……ん……ぅ……。
ふぁ……ねむ……。
お、おはようございます……御主人様。
どっひゃああああぁぁぁ!!!!???
わっはっはっは!! あの叫び声は紗希が目の前に居たからだって!?
笑い事じゃねーよ親父。 目が覚めたら女の子が目の前に居るんだぜ? 心臓止まるかと思ったぜ。
はっ!まだまだ青いな息子よ!! 俺がお前ぐらいの時はだな、毎晩震える子猫ちゃんと……。
うるせぇ黙れ!! それ以上言うな!!
何をする息子よ!!いきなりガムテープを貼り付けてくるなんて……血迷ったか!?
血迷ってるのは親父の頭の中だ!!
はいはい、それまで。
はぁ……おはようメイド長。
はい、おはようございますお坊ちゃま。
あーメイド長、あの子は?
あら?お坊ちゃまはもうあの子に夢中なのですか?
私と言う者が居ながら……。
あほか!!違う!! まだあの子にちゃんと挨拶していないからだよ!!
ええ、知っていましたよ。 お坊ちゃまは優しい方ですからね。
止めろ!!なんだかむず痒くなってきた!!
あの子……紗希ちゃんだったら今頃お坊ちゃまの部屋に居るはずですわ。
俺の部屋か……。
おいちょっと待て。
あら?どうかされました?
……どうかしたかじゃねーよ!! 何で俺の部屋に居るんだ!?
それはもちろん……。
御主人様の事をよく知るには当然の事でしょう……?
お前の差し金かメイド長おおおおぉぉぉ!!!
もちろん、お坊ちゃまの秘蔵のコレクションのありかも……。
何してくれてんだあああぁぁぁ!!!
(こんな事している暇は無い! 早く部屋に戻らないと!!)
待てぃ!息子よ!!
何だ親父!! 今は親父と遊んでいる暇は無いんだ!!
ここを通りたけばメイド長を俺に寄こせ!!
ウルセウス!!
エンッ!!
お見事!!お坊ちゃまの一本です!!
遊んでる暇は無いんだっての!! メイド長!!親父の相手は頼んだ!!
……もう……いけずなんだから……。
フ、フフフフ……。
ご、御主人様……?
(さっき蹴られた衝撃で頭がおかしくなったのかしら?)
フハハハハハハ!!息子よ!! 残念だがメイド長は俺が貰うぞ!!
……は?
ちゃんと俺は言ったもーん。 『ここを通りたければメイド長を俺に寄こせ』ってな!
……。
と、言う訳だメイド長。
今すぐ俺の膝に座れ。 そして永遠の愛を誓え、今すぐにだ!!
うん、それ無理。
メイド長おおおおおおぉぉぉぉ!!!
おい紗希!!居るか!?
は、はい!!
……その箱は……。
あ、あの、その、メイド長が……。
時、既に遅かったか……。
ご、御主人様!? どうなされたのですか!?
いやー何でもない。 何でもないさ……。
ハハハハ……
……ハァ……。
あ、あの……御主人様。
ん……何だ?
……さっき、私の事を名前で呼んでくださいましたよね……。
あ……スマン、つい勢いで言っちまった。
あ、謝らないで下さい!! 貴方は私の御主人様ですし……。
……物凄く、嬉しかったです。
そ、そうか……。
(待て待て!!よく見たらこの子美少女だ!!というか見た目小学生にしか見えないんだけど!!)
あー……その、なんだ……。
は、はい……。
……おはよう、紗希。
あ……!
……おはようございます、御主人様。
(物凄く嬉しそうな顔てるな……)
(本来の目的は紗希に挨拶する事だったしな)
あ、あの……御主人様。
何だ?遠慮しないで何でも聞いてくれ。
こ、この箱の中身は何が入っているのでしょうか?
わー!!それは駄目だ!! というかさっき諦めムードだったけど開けてないよな!?
は、はい! ただ手に取っただけですが……。
俺からのお願いだ……その箱の事は忘れてくれ。
は、はい! 御主人様がそう仰るのなら……。
(この箱は別の場所に隠しておこう……)
……よし、紗希。
はい。
飯にでもするか? そろそろ腹が減ってきたしな。
も、申し訳ありません!! すぐにご用意いたします!!
お、おいちょっと待て!! 調理場とか分かっているのか!? というかそんなに走ったら……
ツルッ
にゃう!!
(あーやっぱりこけた……)
大丈夫か?
ご、ごめんなさい!! 私……私……!!
ケガは無いか?
……は……い。
んじゃ、一緒に調理場に行くとするか! 紗希もまだこの家の間取りとか覚えていないだろ?
ご、ごめんなさい……!
謝んなくていいって!! んじゃ行こうぜ!!
……はい、御主人様。
~続く~