カチッ
ジリリリリリ・・・・
ジリリリリリ・・・・
ジリリリリリ・・・・
カチッ
・・・・朝か。
・・・・顔を洗ってこよう。
バシャバシャ・・・
ふぅ~。
・・・・・・。
よし、今日もカンペキ☆
いつどこで、芸能プロダクションにスカウトされるか分かんないもんね~。
渚ー!!
顔洗ったんなら、 早く朝ごはん食べちゃってー!
わかってるー!
(ったく、毎日毎日 朝からうるさいんだから・・・)
渚ー!
今行くってばー!
もぐもぐ・・・
それでは今日のゲストを紹介します!
今グラビア界で売り出し中の MEIKAさんです!
ど~も~♪ MEIKAです♪
朝っぱらからグラビアアイドルとか、 時間帯を選べよ・・・。
それに、あたしの方が全然 プロポーションいいし・・・。
・・・・・・。
・・・・・胸以外は。
もぐもぐ・・・。
ずずず~・・・。
ごちそーさまー。
って、洗剤切れてるじゃん。
おかーさーん! 洗剤ー。
洗剤?
あっそういえば昨日の夜に切らしちゃったんだっけ。
ん~どうしましょう。お母さんこれから出かけなきゃだし。
(・・・・嫌な予感)
渚、悪いんだけど買ってきてくれる?
(ハイキタコレ!!)
えー、やだー。
いつもうちに居るんだから、たまには買い物ぐらい行ってきなさい!
ちぇっ・・・。
洗剤のほかにも あとアレとコレと・・・
あー待って待って、 メモするから・・・。
これでよしっと・・・。
う~ん、文面だけ見ても結構重そう。
じゃあ、はいこれお金。
それじゃ、よろしくね渚!
は~い・・・。
ガチャ
バタン
あ~あ、めんどくさ・・・。
・・・・とりあえず、歯磨いてこよう。
シャカシャカシャカ・・・
うっ!!・・・
・・・・・・。
・・・・今のが、嘔吐反射ってやつ?
・・・・別に誰にでもあるとはいえ、 なんかおじんくさいなあ。
ガサゴソ・・・
えっと、財布持った。お金入れた。
ハンカチ持った。ケータイ持った。
買い物リストのメモ持った。 楓ちゃんと撮ったプリクラ持った。
そしてスマイル!
よし、カンペキ☆
さて、気はこれっぽちも乗らないけれど、買い物行ってきますか。
渚。
おはよう、エイドリアン。
お出かけですか?
そう、ちょっと買い物にね。
そうですか。
何か欲しいものとか、ある?
ついでに買ってきてあげるけど?
新しい茶葉、欲しいです。
はいはい、新しい茶葉ね。 ええっとメモメモ・・・。
茶葉・・・っと。
それじゃあ行ってくるわ。 留守番よろしくね。
分かりました。
スーパー到着
ううう・・・。 ひ、人がいっぱい居る。
べっ別に、赤の他人だし。 視線とか、気にする必要とか、 ないし?
平日のお昼前に、若い子が出歩いてても、べっ別に普通だし。休講の大学生って考えるのが普通だし。
・・・って、 何考えてるんだろあたし。
さっさと買い物済ませて帰ろう。
ピッピッピッ
(レジの人、あたしよりも年下っぽい?)
(くぅ~、なんか自分よりも年下の癖に働いてる人見てると、ムカついてくる・・・)
(あたしだって、本当は働きたいのよ? でも、今はまだ働く必要ないんじゃない?)
(若いうちは、もっと人生を謳歌したほうがいいんじゃない?)
(必死こいて働くのは、それからでもいいんじゃない?)
(・・・・・・。)
(我ながら、ニート根性が根付いてるわね、恐ろしい。)
お会計¥3,472になります!
ぁ・・・はぃ・・・。
(なりますって、何が¥3,472になるの?)
(普通に『お会計¥3,472です』でいいじゃない)
はい、¥5,480お預かりいたします!
(預かるって事は、あとで返してくれるの?)
(コンビニでバイトしてたときもそうだけど、『お預かりします』っておかしいわよね?)
(普通に『いただきます』とか『頂戴します』でいいじゃない?)
(ニートのあたしですら気付く社会の疑問に、この子は疑問を感じないのかしら)
(所詮社会なんて、こんなものなのかしらね・・・)
お待たせしました!
お釣りが¥2,008になります!
(だから何が!? 何が¥2,008になるの!?)
(普通に『¥2,008のお返しです』とか『¥2,008のお釣りです』でいいじゃない!)
(ダメだわ! 社会には間違いが溢れている! こんな社会で働いていくんだったら、ニートの方がマシよ!)
ありがとうございましたー!
ただいまー。
おかえりなさい、渚。
ただいまエイドリアン。
はい、頼まれてた茶葉よ。
ありがとう、渚。
早速お茶淹れてきます。いつもの居間で待っててください。
ありがとうエイドリアン。
その前にやることあるから、それが終わったら頂くわ。
分かりました。
さて、ほったらかしの洗い物を片付けますか。
ガチャガチャガチャ・・・
ふぃ~、終わった~。
洗い物ってどうしてこう腰にくるのかしら。
・・・・運動不足?
・・・・ニートの宿命か。
渚、お茶が入りました。
はいはい~、今行くよエイドリアン。
ずずず~・・・。
・・・・・・。
・・・・・・。
エイドリアン。
はい。
なかなか、いいお手前になったのう。
渚が褒めてくれると、嬉しいです。
あたしのお茶を気に入って居候すると言ってきた時は、どうしたもんかと思ったけど・・・。
ずずず~・・・。
こんなに美味しいお茶を淹れてくれるなら、大歓迎だよ~。
でも、渚の淹れたお茶に比べたら、エイドリアンのお茶はまだまだです。
これからも、精進します。
またまた、嬉しいこと言ってくれるのう。
おだてても何もでにゃせんよ?
いいんです。渚が喜んでくれれば、それでいいんです。
エイドリアーン!
チャララ~ラ~♪
エイドリアーン! エイドリアーン!
チャンピオンアポロを相手に、15Rを戦い抜きました! 今の気持ちは!?
エイドリアン! エイドリアン!
ロッキー!
エイドリアン!
ロッキー・・・!
エイドリアーン!
渚ぁー!
楓ちゃ~ん!
バタン!!
・・・・・・。
今は・・・・。
!?
二人だけの時間に、させてやろうや・・・。
・・・・くま。
へっ泣いてんじゃねぇよ。
そんなに、あの子に惚れてたのか?
バカやろう・・・。
なっ渚ー!
楓ちゃ~ん!!
ぐへへ、楓ちゃ~ん♪ むにゃむにゃ・・・
夢落ちとは、情けないのだ・・・。
~終劇~