近頃世間を騒がせている獣魔使いとは、お前の事か?
へっ、バレちまっちゃあ、しょうがねぇな。 そうだと言ったらどうするんだ?
倒すまでの事。いざ、参る!
ちょっと、私の分も残しておいてよね!
おっと、そうガッつくなよ。
お楽しみはこれからだぜ! 行け! 獣魔ライジングベア!
ガーッ!
チッ、用意のいい奴だ。 美咲、援護を頼む!
OK! 飛燕岡崎流壱の太刀、剣風斬!
グフッ!
今よ、直人!
任せろ! こいつで止めだ!
グワァァァァッー!
チェッ、使えねぇなぁー!
後はお前だけだ。観念して討たれろ。
へっ、やなこった。おととい来やがれ!
はっ!
おっと! どうしたい? カスリもしないぜっ!
ちっ。 (こいつ、獣魔に頼らずとも強い……)
ならばこれでどうだ!
くっ、思ったよりもやるじゃねぇか……。
直人下がって! これでも食らいなさい!
くそ! あっぶねぇなぁ、飛び道具かよ!?
嘘!? この私が外すなんて!
あー、もしかして俺様に惚れちまったのか?
ばかっ! そんなはずないでしょう!
いやいや~、隠さなくてもいいぜ。俺様は懐が深いからよ。 素直に惚れたと言っちまえよ。
このォォォ……言わせておけばァァァ!
美咲、漫才はそれくらいにしとけ。
お前、野暮な奴だな。空気読まない奴って言われた事ないか?
ない。
そうかよっ!
――!
にゃーん!
切り札は最後に切るもんだぜ。 じゃあな!
くっ。
にゃ~ん
どけ! 邪魔をするな!
ふぎゃっ!
くそ、逃がしたか……。
私達二人を相手にして、まんまと逃げ果たせるとはね。 ちょっと油断したわね。
……いつか仕留めるさ。 それよりもだ。本当にあいつの言った通り、手加減した訳じゃないよな?
ば! ばかな事言わないでよね! あんたもそんな世迷いごとを信じてるわけ?
いや……変な事を言って悪かったな。 すまない。
べ、別にいいわよ……謝んなくても。
さあ、帰りましょう。 汗かいちゃったし、シャワーでも浴びたいわ。
そうだな。 俺も少し頭を冷やそう……。
ガサッ
お待たせーっ!
って誰もいない……。
しまったー! 遅刻したーっ! ムキーッ!
こうして直人と美咲は、悪の獣魔使いを退けました。 <了>
次は出番欲しいな……クスン