ワオ―ン。
オオカミの遠吠えなんて初めてリアルで聞いた!
立ち止ってないで動けよ!
遭難してから何時間立つっけ?
多分3時間くらい?
そう、二人は遭難していた。
ことはおよそ3時間前、
うわー! 足が滑ったー!
落葉香! 危ない!
二人「ぎゃあああああ!」
お姉ちゃ~ん!
未来のお姉さん! 正奈さんは私が守りますので安らかに眠ってください!
先生! 落葉香とお姉ちゃんが崖から落ちました!
あの二人ならそう簡単に死にはしませんでしょう。
後眞流山さんが変です!
多分元からかと。
というのがついさっきの出来事。
ちょっと周りを見てくるよ。
うん。
やはりどこを見回しても山ばかりだな。
おーい、やっぱり山ばっか…
ぐー。
寝るな―! 寝たら死ぬぞ!
ビシバシ!
アウチ!
人が気持ちよく寝てたのに~。
こんなところで寝たら死ぬだろ!
はっ! そうか!
頑張ってお互い寝ないようにしよう。
うん。
そうだ! 荷物にカロリーメイトがあるんだけど…
ぐー。
寝るなー!
ビシバシ!
痛!
何をする!
たった今自分が寝るなって言ったばっかじゃんか!
うぐっ! そうだったな。
そんなことより私達これからどうなるのかな?
最悪を考えれば助けが来なくてそのまま朽ち果てることになるかな。
まだ私はやり残したことがあるのに!
私だってあるよ!
二人「うわーん!」
ザッ。
ん?
ど、どうした?
な、なんか来るよ!
あの影はまさか、オオカミか!?
ひえええ!
ザッザッザッ。
二人「お、お助け―!」
はい?
あれ? 君たちなんでこんなところに?
う、うさ子さんと阿加井さん!?
他に何に見えるってんだい?
助かったー!
うん? どういうことだい?
実は私達、遭難していたんです。
そうだったのかい。 だったら家がすぐ近くだから来るといい。
家?
この山はあたいの縄張りなんだよ。
私有地かよ!
私なんて食べても美味しくないよー!
そんなことないよ♡
ひい!
今日は一緒に寝ようね♡
私はここで寝る―!
じゃあお互い温め合いながら寝ようか♡
助けて―!!!
でもやっぱり風邪ひくと困るからうさ子さんの家に行こうか。
いやああああああ! オオカミより恐ろしいー!
その後、正奈達と連絡を取り、みんなのところへ戻った解羅。
その時、落葉香の姿は隣にはなかったという。