今日は暖かいですねぇ、じいさん。
春が近い証拠かしら・・・ってあら?
コックリ・・・コックリ・・・
うふふ、じいさんったら呑気にうたた寝してる
ちゃらりら~ん♪
うふふ、写メとっちゃった
おや・・・
まぁ、茶柱が立ってるわ
・・・・・・
私たち茶柱は、淹れてくれた人のために立派に立たなくちゃいけないのよ。それが最大限のおかえしなの
だから、練習して早く一人で立てるようにしないとね、クララ
無理・・・
そんなことないって、クララはやればできる子
・・・クララに私のなにが分かるの?
見てよこの足!ずっとお湯の中にいたからふやけちゃって、しわっしわ! 恥ずかしくて見せられないわ・・・
これじゃ男の子にモテないじゃない!ただでさえ出逢いのない私達お茶っ葉だっていうのに!
そもそも、茶柱だからってただお湯の中に浮いているっていうのがダサイっていうか、時代遅れっていうかぁ
もっと輝けるはずなのよ、私は。こんな所詮湯のみの中にアホみたいに浮いてるような、ただの茶柱じゃないの!
立てないんじゃなくて、立たないだけ。こんな場所で本気になっても無駄っていうか
・・・・・・
クララのバカっ!何よ意気地なし!
・・・!?
一人で立てないのをこのお茶を淹れた人のせいにして!何年お茶汲みやってきたベテランだと思ってるの!?
クララの甘えん坊!怖がり!意気地なし!どうしてできないのよ!
こんな所で立てないようじゃ、あんた何処に行こうが一生立てるわけないじゃない!!
それでもいいの?悔しくないの?惨めだと思わない?言い訳ばっかしくさって!情けないったらありゃしない!
クララ・・・いや、ボウフラっ!
そうだテメーなんてゴミカスは三角コーナーにでも棄てられちまえーーーッ!
・・・そこまで言うことないじゃないっ!この廃児!
やるかこのボウフラ野郎!
トンファー・・・キ~ック!!
ドボォォォ!
トンファー関係ねぇし! むしろトンファーどこから出現した!?
・・・って、クララ!あなた・・・
あっ、立ててる・・・
ハイジ・・・、私立ってる!立ってるよ!
クララが・・・立ってる!一人で立ってるよぉっ!うわーん
クララーーーッ!
ハイジーーーッ!!
ウフフ・・・
ありゃりゃ、ばあさんが湯呑を持ちながら眠りこけてるわい
いったいどんな夢を見てるんじゃろうな
・・・おや、茶柱が立っとるわい
チャラリーン♪
・・・茶柱立ってるなう、と