人類滅亡……そんなモノは稚拙な終末論だ。
フィクションでは飽きるほど用いられた設定だが、それが古代文明の予言として出されようものならメディアが次々と群がる。
そして捻じ曲げられた事実と間違えた学者の言い張る姿勢が、伝染するかのように一般人に情報を浸透させる。
しかしながら、曖昧な滅亡説を声を大にして伝えるなど、事実認識の甘い人間の不安を無意味に煽る行為でしかない。
それに、恐怖の大王なんて来るわけもなし、2012年ですら滅ぶことなく次の年へと無事にバトンを渡した。
一部の学者は
計算ミスをした
うるう年を考えてなかった
と口々にするが、それはそれで問題である。
自身が馬鹿であると露呈しても、それでも彼らは新たな終末論探しに余念がない。
次は何が来るのだろう。「うるう秒を忘れてた」とでもいうのか。
さて、誰が言い出したのかなんて皆目見当もつかない話だが、実際に終わりがあるとすればどうだろう。
節目節目に終わりがあるが、それに伴う形で始まりが存在する。
紀元前に一年をどうカウントしていたかは知らないが、ある人物の誕生に従い西暦が始まった。
昭和の時代が終わりを告げたものの、平成に突入したし、20世紀が終了した途端に21世紀が幕を開けた。
すべての物事は終わるとして、その終わりには何らかの『始まり』とやらが付加されるのだろう。
なら人類滅亡という『終わり』を迎えたその先に、次のステージで待っているものとはなんだろう。
とある学者の発言を易化して言うが「人類滅亡したら巨大化したイカが地球を支配する」なんていかがわしい話もある。
いかんせん学術的根拠のない説で、終末論以下のシロモノでしかない。
人類の次に地球を支配する生き物にスポットを当てても意味がないので、別の仮定で話を進める。
まず、人類の絶対数が足りない場合。
この場合だと、単純に繁殖に励む姿しか思い浮かばないので、仮定としての面白みがない。
次に、突飛な話になるが、人類が繁栄しているのにも関わらず、地球という単位での大きな影響、及びそれに伴う何らかの変動によって、
いわゆる『地球が滅びる日』が発生し、多くの人間が「今日が最後の日」との認識を持って生活する場合だ。
現代で考えると、そりゃあモチロン他所の星に移住するなんてできないので、地球と共に滅びゆくしか選べる道はない。
そうであるなら、最後の一日はどう過ごすだろうか。
略奪と暴力が横行することになるのかもしれないし、
家族や恋人、友人といった『大切な人』のために残り少ない時間を過ごすかもしれない。
仕事や学校をサボって自由気ままに振る舞う人間もいれば、
来るはずもない明日を信じていつも通りにする人間がいるのだろう。
数え切れない人間が、それぞれ思い思いの過ごし方を選択し、それこそリストアップすれば膨大な量になってキリがない。
そしてその多くが生に対し執着していて、切実な時間を作り上げるはずだ。
きっと、その全てが尊いことなのだろう。
僕は世界最後の日に何をするのだろうか。
仕事に励むのだろうか。誰かと過ごすのだろうか。
それとも、法律を無視して振る舞うのだろうか。
――どれも違う。
僕は世界最後の日に、星空を見上げていると思う。
…………
…………
…………
……また、ですか
どういうことだ?
また唐突に作品見せて!また感想をいきなり求めるんですか!?
わかってるなら早く感想を言えよ
こんな……!いきなり読ませて……っ!感想を……無理強いするなんてっ……!
いいから!早く!感想を!小言は後で聞く!
……わかりましたよ。率直に言います
気持ち悪いです
……は?
だからっ!気持ち悪いです!なんですか『星空を見上げていると思う』って!ロマンチストなつもりですか!?
それは俺があまりにもロマンチストすぎるから漏れちまったんだよ
こういうのはロマンチストじゃなくてナルシストっていうんですよ!
お?なに?宣戦布告?編集ちゃんのくせに、俺に対して宣戦布告?俺のこと何だと思ってるの?
『くせに』ってどういうことですか!?先生こそ僕を何だと思ってるんですか!
おバカなメガネっ子
……っ!
だから!バカじゃないですって!ばーか!もうっ!知りませんからっ!
…………傷つくなぁ……編集ちゃんは俺のこと嫌いなのかなぁ……
あっ……いや、そうじゃなくてですね……
俺は編集ちゃんのこと愛してるのになぁ……そっかぁ編集ちゃんは俺のこと嫌いなんだなぁ……
(あ……愛して……る…………っ!?)
嘘だけど……
〜〜〜〜〜〜っっ!
先生っ!やっぱこの原稿ボツですっ!!
だろな