桃…太…郎 鬼々島へ… 鬼々島へ…行くのだ…!
鬼々島へ行くのだ! 桃太郎!
うっせーなジジイ! 毎朝毎朝、耳元で囁くんじゃねーよ!気持ちわりーなぁ!
チッ どうもすいませんした
なんでちょっと切れ気味なんだよ?
まあそんなことよりさ… 今日はお前に大事な話があるんだ。
大事な話?
ああ。 実はな…お前はうちの子じゃないんだ。
え!?
そう…あれは15年前の夏の日のことだった。
ばあさんや 見てくれ。裏山でこんなに大きな桃が取れたんじゃ。
わぁすごい。 それじゃ、さっそく切って食べてみましょうか。
いやいやいや、なんで今より老けてるんだよ!?全然キャラ違うじゃねーか!
まぁ、最後まで話を聞きなさい。 それで、二人で桃を食べたんだが…
いやぁ、不思議な味がする桃じゃったのぉ。
そうですねぇ。それになんだが身体が火照ってきたような…うっ…! バタリ
ばあさん!しっかりしろ! ばあさ…ううっ…! バタリ
~数十分後~
あれ? なんだこれ…若返ってる。
そのようですね。 これは一体どうゆうことでしょう?
うーん…考えてもしょうがない。 これはこれでいいだろ!
そうですね!
それにしてもいい身体だなぁ。どれ、ちょっと触らせてみぃ。
もう…スケベ。 でも、さっきから身体が火照ってしょうがないんです。
・・・半世紀ぶりに、もっこりする?
・・・・・・(コクッ)
「「合体!!」」
「合体」じゃねーよ! っていうかいろいろとツッコミどころ多すぎだろこれ!
ハッハッハ とまぁ、こんな感じでデキちゃったのがお前だ。
ってやっぱり俺はお前の子じゃねーか!
当たり前だろ~ ビビった?ビビった?
チッ、うざってぇ。 っていうか知りたくなかったわぁ、俺の出生の秘密。
「桃太郎がびびってちびったなう」っと。
おいいいいい ちびってねーし、変なことつぶやいてんじゃねーよ!
お、さっそくママからリツイートが。なになに「まさに桃の天然水www」
クッソワロタwww
お前らいい加減にしろよ!しかも拡散させんな! っていうか、もう話は終わったんだろ?早く出てけよ!
いや、まぁ冗談はさておき…これからが大事な話だ。桃太郎、お前にはこれから鬼々島へ行って鬼退治してもらいたいのだ!
鬼退治?
ああ。鬼たちがこの村で悪さばかりして困っているのだ。お前は引きこもりだから知らないだろうけど。お前は引きこもりだから…
二度も言わなくていいから! …分かったよ。やればいいんだろやれば!
おお、引き受けてくれるか! さすがわしの子だ!
そうだ!これを持って行きなさい。 ママ特製の「きびだんご」だ。これを食べた奴はみんな言うことを聞くようになるぞ。
へぇ。
だから、まずはこれを使って心強い仲間を探すといい。イヌ・サル・キジあたりがおすすめだ。
いや、それならさ…
ん?
それを鬼に食べさせた方が早くね?
あっ
こうして桃太郎は鬼にきびだんごを食べさせ、鬼も人間も平和に暮らしましたとさ。 めでたしめでたし。