ども、シンデレラです。
今はとある事情によりアイザーワという名前とこの姿をしています。
こんなことになったのも全てあの王子のせいだ!
合コンに参加したあげく、途中で出ていくしまつ。
だが私はがんばる! 愛する博士のためにも必ず王子を完璧に籠絡しなおしてやるんだから!
リレー小説第三部、始まり。
はぁ~。
王子、こんなところにいたんですね。
連れ戻しにきたんか? 絶対に戻らんぞ。
一体どうしたんですか?
だって…
出て行った王子を追いかけてきたものの、今の私ではうかつに傍に近づけない。
こんな時のために、盗聴キットを装備しといてよかった。
さて、どうしてここに来たのかな?
だって… なんです?
だって…
あのメンツの中に一人もドジっ子がおらんねん!
・・・。
はい?
だから、ドジっ子がいないねん!
飛び出した原因はそんなことですか?
アホ! 重要やがな!
何でですか?
わいがシンデレラと結婚した理由、知っとるか?
一目見て惚れたのでしょ?
ああそうや。
一番ビビビと来たのがガラスの靴を落とすというところや!
えっと、つまり王子は…
シンデレラの美貌ではなくドジった部分に惚れたと?
シンデレラは容姿も性格も完璧、確かに魅力的ではあるな。
しかし! 完璧な人間がドジるところはまさに可愛い!
思わず守ってあげたくなると思うんや。
は、はぁ。
しかし、最近のシンデレラはまさに完璧。 完璧すぎて…
すぎて?
わいは必要とされているのかわからなくなったんや。
できることは全て完璧にやり遂げる。
別にわいの誘いを断るのは構へん。
でも全くドジっ子要素のないシンデレラと一緒にいることが最近辛くなって。
だから合コンをやろうと。
せや。
ものすごく殴ってやりたいわ。
けどこれも愛する博士のため! ここは我慢よアイザーワ!
そもそも王子。
ん? なんや?
合コンはそういう人を求めてやるものではありませんよ。
え?
・・・。
ほんまに?
はい。
・・・。
ええ!? そんな!?
戻りましょう。
なんで?
今戻ればまだ合コンの終了時間には間に合います。
だからあそこにはドジっ子がいない…
本当にそうでしょうか?
うん? どういうことや?
もしかしたらドジっ子さんは自分がドジるのが嫌だからわざとドジないように振る舞ってるのかも。
な、何!?
特にあのよくしゃべる人とかはドジりそうなみためをしてると思いませんか。
確かに、性格とみためは一致すると聞いたな。
きっと隠してるのですよ!
おお! ほんまか!
はい。 だから戻りましょう。
戻るのはいいけどどうやって謝ろうかの?
そこらへんは男なんですからビシッと謝ってください!
そ、そうか。 確かにわいが悪いもんな。
ようし! 王子の生きざまをお前にみせたる!
流石王子!
となればさっそく戻るで!
そうですね、そうしま…
あ!
どないした?
大変です! もう合コン終了時間が迫ってます!
ええ!? やばいがな!
急ぎますよ!
よかった、ちゃんと戻るみたいね。
しかし、王子はあんなことを思っていたんだ。
ドジっ子…
い、いやいや! 私の愛するのは博士だけ! 博士の願いを叶えるために私は生まれたんだから!
はっ!? 私も戻らないと!
果たしてアイザーワは無事に合コンを終了させることができるのか!
王子の運命は!?
この続きは第四部、鶏肉さんにお任せします!