『【5月第三週】母さんは女子高生』

ふぅ、今日も学校に行かないとな

修吾! ちょっとあんた!!

げ、母さん……

あんたハンカチはもったの? もう、校長なんだからもうすこしはしっかりしなさいよ

こ、子供じゃないんだから平気だよ

あんたはわたしのこどもでしょう! まったく。わたしもがっこうにいかないといけないんだから!

それじゃあ、先に行ってるね……

親父が再婚した。

そりゃ、息子としては反対するような歳でも無いし認めるしかなかったが、反対する理由はあった。

え、それってさ、うちの学校の制服じゃね?

え、こっそり私の働きっぷりを見に来た時に知り合った?

犯罪の香りしかしねぇよ、親父!!! 何やってんだよ!!!!!

はぁー……

校長、お疲れですね。何かご家庭の……って独身でしたね☆

相変わらず先生は、失礼ですね

お茶汲みとかやらせてるんだから、当然ですわ

自分でやるって言ってるのに、あんたのお茶は不味いって言って憚らないのはあなたでしょう。はぁ、まぁ、家庭の問題っちゃ問題なんですけどね……

……わ、私で良かったら相談に乗りますわよ?

言える訳ねぇよ! 言った瞬間、職失う危険があるよ!! ただでも最近教師が……

校長?

あぁ、ごめんごめん。いや、良いんだ。自分でどうにかするしかないから

……そうですか。それじゃあ失礼します!!

はぁ……

彼女が乱暴に置いた湯飲みから零れたお茶の熱さに気付くのに、十秒もかかるほど悩んでしまった。

それで、君は何でここに呼ばれたか分かるかね?

こら、修吾! お母さんにそんなくちをきくんじゃありません!

今は学校の生徒でしょう……

あんたのおしめを……

変えてもらった事実はありません

これからあるかも知れないでしょう!!

うげぇ……

それで、この母親は学校の問題児と。窓ガラスを割ること三回。教壇を破壊すること十回。電灯に到っては、回数すら分からないと。

それで、今回も不注意と?

たまたまスライディングのれんしゅうしてたら……

小学生じゃないんですから、そんなことしないで下さい

はぁ……。

ただいまー

あ、夕飯出来てるから、ちゃんと手を洗ってきなさいね

良い匂いがする。手作りの料理なんて、何年も食べてなかったな。

母さん

なぁに? 修吾♪

母さんは嬉しそうに話す。亡くなった母を少し思い出した。

これ、プレゼント

プレゼント?

そう。ハンカチ。母さんこそちゃんと学校に持って行きなさい

……修吾……。生徒にてをだしたら、はんざいだよ?

母の日のプレゼントだわ!!

……母さんは、お父さんのこと愛してるから……

あぁ、もう! やっぱり、こんな事するんじゃなかった。

でも、家族っていいな。

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公開日 2013/05/11 04:09 再生回数 36

作者からのコメント

ラノベとかにあり溢れてそうな何か。母が亡くなったのを機に父親と同居し始めたら、再婚したという設定で。お題 母の日

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