ふぅ、今日も学校に行かないとな
修吾! ちょっとあんた!!
げ、母さん……
あんたハンカチはもったの? もう、校長なんだからもうすこしはしっかりしなさいよ
こ、子供じゃないんだから平気だよ
あんたはわたしのこどもでしょう! まったく。わたしもがっこうにいかないといけないんだから!
それじゃあ、先に行ってるね……
親父が再婚した。
そりゃ、息子としては反対するような歳でも無いし認めるしかなかったが、反対する理由はあった。
え、それってさ、うちの学校の制服じゃね?
え、こっそり私の働きっぷりを見に来た時に知り合った?
犯罪の香りしかしねぇよ、親父!!! 何やってんだよ!!!!!
はぁー……
校長、お疲れですね。何かご家庭の……って独身でしたね☆
相変わらず先生は、失礼ですね
お茶汲みとかやらせてるんだから、当然ですわ
自分でやるって言ってるのに、あんたのお茶は不味いって言って憚らないのはあなたでしょう。はぁ、まぁ、家庭の問題っちゃ問題なんですけどね……
……わ、私で良かったら相談に乗りますわよ?
言える訳ねぇよ! 言った瞬間、職失う危険があるよ!! ただでも最近教師が……
校長?
あぁ、ごめんごめん。いや、良いんだ。自分でどうにかするしかないから
……そうですか。それじゃあ失礼します!!
はぁ……
彼女が乱暴に置いた湯飲みから零れたお茶の熱さに気付くのに、十秒もかかるほど悩んでしまった。
それで、君は何でここに呼ばれたか分かるかね?
こら、修吾! お母さんにそんなくちをきくんじゃありません!
今は学校の生徒でしょう……
あんたのおしめを……
変えてもらった事実はありません
これからあるかも知れないでしょう!!
うげぇ……
それで、この母親は学校の問題児と。窓ガラスを割ること三回。教壇を破壊すること十回。電灯に到っては、回数すら分からないと。
それで、今回も不注意と?
たまたまスライディングのれんしゅうしてたら……
小学生じゃないんですから、そんなことしないで下さい
はぁ……。
ただいまー
あ、夕飯出来てるから、ちゃんと手を洗ってきなさいね
良い匂いがする。手作りの料理なんて、何年も食べてなかったな。
母さん
なぁに? 修吾♪
母さんは嬉しそうに話す。亡くなった母を少し思い出した。
これ、プレゼント
プレゼント?
そう。ハンカチ。母さんこそちゃんと学校に持って行きなさい
……修吾……。生徒にてをだしたら、はんざいだよ?
母の日のプレゼントだわ!!
……母さんは、お父さんのこと愛してるから……
あぁ、もう! やっぱり、こんな事するんじゃなかった。
でも、家族っていいな。