第一回コスプレ大会の優勝者は……
アカネ選手!
やったぁ!
おめでとうございます。
ありがとうございます。
えーっと、大会優勝者のアカネ選手には……
ガチャリ……
………………
………………
はぁ……
アカネも優勝したし……
もう、私いらないんじゃないかな。
対戦するなら、あそこのカードショップでいいわけでしょ……
………………
この服のまま出ちゃった。
……また、あそこに戻らないとダメか。
やだなぁ。
………………
はぁ……
戻らないとダメよね……
もう少しだけ。ここにいよう。
あら、可愛い猫さん。
!?
驚かせてしまってごめんなさい。
あんまり可愛い猫さんだから思わず。
ね?
あ、あの。私……
あら、大丈夫よ。
お姉さん、そういうのに寛容な方だから。
じゃ、なくて!
別に私、好きで着ているわけじゃないですから。
あら、そうなの。
好きじゃないのにその格好で町をうろつく……
アナタ、大丈夫?
えっ!?
脅されたりしてない?
いや、そういったものでもないですから!
なら、よかった。
………………
………………
あの……
どうしたの?
何か、御用ですか?
特にないわよ。
ただ……
ただ?
落ち込んでいるみたいだから。何かあったのかなぁって。
………………
ないならいいのよ。
私の名前はミドリ。
もし、何かの縁があればまた会いましょう。
あっ、はい……
それじゃあね。
いっちゃった……
あっ!?
私の名前……言ってなかった……
まぁ、いいか……
さすがに、もう会わないよね。
この姿見られたし……
できるなら、もう会いたくないなあ。
はぁ……
帰らなきゃ……
………………
………
よし……
あっ、おかえり。
紫ちゃん。おかえりなさい。
着替えてきていいかしら。
別に急ぎじゃなくても大丈夫だよ。
どちらかというと、早く着替えたいのよね。
そ、そう?
うおおおぉぉぉぉぉ!
絶望の声を上げている人もいますが……
知らないわよ。
スタスタスタ……
(少し……機嫌が直ったみたいだ……)
(良かった……)
そうそう。
は、はい!
ありがとう。
えっ!?
………………
許して貰えた……
のか?
アカネ。
なに?
ちょっと、用事があるから先に帰るわね。
う、うん……
はぁ……
もう、あまりやりたくないなぁ。
次回予告 偶然は一度だけ。必然は二度続く
幻想戯作を通じてそのつながりはどんどんと大きくなっていく!