はぁ……。
僕は今、悩みを抱えている。
あぁ…… 本当に憂鬱だ。
おーい!! 洋平~!!
うわっ! ……きた!!
ごっめ~ん 待ったぁ?
待つどころか…… 君が来るなんて思わなかったよ。
うん、あとつけて来ちゃった☆
……!?
ウソウソ!! も~本気にしないでよ~ 洋平って、よく真に受けちゃう系男子だよねぇ~~!
……真に受けちゃう系……
まっ! そんな気にすんなよ! そーゆーとこも含めて、 俺はあんたのことトモダチとみなしてんだから! ところで、洋平、 なんかため息ついてたけどどしたん?? なんか悩み?
……!! ……お前のことだよっっ!!!!
え………俺? なんでさ?
………!? お前、わかってないのか? お前がどんな環境で過ごしてるのか、 わかってないのか!? お前は、おかしいんだよ!! 生物学的にな!!!
今日だって………………
はぁ……
ワイワイ ガヤガヤ
ギャーギャー
どんっ!!
いたっ!
!!
どこつったってんのよ!
あんた、 ちょっとは周り見なさいよね!! 怪我したらどうすんのよ! 亜美、大丈夫?
うん、あたしは大丈夫。
そっ…… そっちが………!!
そっちが……… ……なに?
……。
おい、お前ら、 何やってんだよ。
うっ……宇宙くん!!
転校生の……… 宇宙 ジンくん、だったかしら?
そうさ。 お前ら、恥ずかしくないのか? そういうの、 弱いものいじめってんだぜ? 洋平困ってんじゃねーか。
ご、ごめんね……… 宇宙くん。 あたしたちが間違ってたね。
私たち………酷いことしたわね。 ごめんなさい、 ジンくん。
ま、わかりゃいいんだ。 洋平、許すだろ? 女の子二人がこんなに真剣に謝ってんだぜ? こんなに可愛い女の子たちがたぜ?
キャーキャー
ジン………!!!
………あれ?
はは、あのことか。 あいつらもガキだよなぁ。
ちがう!! あいつらは僕にはひとつも謝ってないじゃないか!!! それになんかそれっぽくまとめやがって、 しかも無駄に人気だし!! いいか宇宙人!! お前はあのクラスに、いや学校に、 いやいや、この地球にいるのはあり得ない生物なんだ!!
嫉妬かい? 見苦しいぞ。
うっ…… うるせぇっっっ!! おかしいのはお前なのに!!!!
ボカッ!!!
………ハッ!!
……ふふ、 いいパンチだったぜ、洋平。 あのとき、俺は弱いものいじめだといったけど…… とんだ勘違いだったぜ。 すまなかった、お前は強い。
ぼ……… 僕は………なんて酷いことを。
お前は悪かねーさ。 お前は正しい。 確かに、俺は宇宙人だ。 どっからどうみても宇宙人だ。 だがな、俺を受け入れる地球人、 クラスのやつらも……… 間違ってなんかいないさ。 俺は今、こうしてお前たちの目の前にいる。 目の前で、喋り、笑い、 時には喧嘩をする。 何かおかしいかい? いや、何もおかしくないさ。 そう思うだろう?
ジン………。 ごめん、僕が間違ってたよ。 おまえが僕やみんなと見た目が違うから………どうしても……… ほんとにごめん。
ははっ! よせよ、こういう湿っぽいのは好きじゃねぇぜ。 ほら、マックいこうぜ、マック!!
あぁ……… そうだな! 僕も新商品食べたかったんだ!! 行こう!!!
あはははは………
あっおい待てよ~ははは~
………いるんだろ? 宙子(ソラコ)?
………。 ……これで、人類全員を支配できた の? Ginn-Y498-R7sMn00?
あぁ……。 それにしても…… 藍川洋平、 なかなか疑り深く、 警戒心の強いやつだった。 正直、仲間にしてやってもよかったが…… ま、それは組織のやり方に反する、 ってやつだな。
そうね……。 賢明だと思うわ。
おぉ~い! ジン! 何やってんだ?早く行こう!
あぁ!! ……じゃあな、宙子。 後でまた。 次会うときは、地球の滅亡前か。
ふふ…… ふふふふ……… せいぜい残りの僅かな時間を楽しんでね……… ふふふふ……
………そりゃ、あいつらにたいして?
まさか。 あなたよ。
………………。
ジャリ……… ジャリ
トモダチ……… か。
ジャリ……… ジャリ………
完