“なくしたブレスレット4”

、、、

放課後の部活。

まだ誰もいないフルートの練習場所で、1人で考えていた。

でも、何を考えていても、恵の言葉がフラッシュバックしてしまう。

どうせ今まであったチャンスだって、「次がある」とか思ってみすみす逃してきたんでしょ!

(ケリはつけなきゃとは思うけど、、、どうすればいいのかな)

、、、

やはり考え付かない。

、、、仕方ない。フルート吹こう。

私は考えるのを諦め、フルートに口を近づける。

、、、

駄目だ。

考えがまとまらなさすぎて、フルートに集中できない。

、、、今日は、やめた。

仲間達には申し訳ないが、部活は体調不良ということで休むことにした。

、、、

沈んだ気持ちで昇降口へ。

いざ靴をはき変えようとしたときだった。

遥!

っ、、、!

悩みの最大因子のお出ましだ。

めずらしいな、お前が部活休むなんて。仲間から聞いて驚いたぞ?

うん、、、ちょっと体調悪いんだ、今日。

(その原因はだいぶあんただっつーの!!!)

そうか、、、気をつけろよ?無理だけはしないほうがいいからな。

うん、、、分かった。ありがと。

そういって私は学校を出た。悟とほとんど目も合わせられなかったけど。

、、、

(遥、話している間は俺とほとんど目を合わせなかった、、、)

(あいつ、、、何か隠してるな?昔からのクセだ、、、)

(あいつは隠し事をするとき相手の目を直視できない、、、)

(だけど、だとしたら何を、、、)

、、、

、、、

午後6時。吹奏楽部の練習も終わって帰り始めた頃だろう。

私は家に着いてから、着替えもせずに考えていた。

でも、考えすぎてだんだん何について悩んでるのか分からなくなっていた。

(もう、どうしろってのよ、、、)

たった1人の幼馴染みにここまで振り回されるなんて、考えてもみなかった。

、、、もういいや。今日は寝よう。

重い腰を椅子から上げる。それと同タイミングだった。

ピンポーン

誰だろ、、、宅配かな?はーい?

私は外へ出る。

おお、、、家から出てくる元気はあったか。

(っ、、、!)

よりによってまたこいつである。

やっぱり心配になってな、、、大丈夫か?

うん、、、大丈夫。

本当なら嬉しいこいつの優しさも、今の私には苦痛でしかない。

声が大丈夫じゃなさそうだが、、、まあいい。

こんなときに悪いが、もう1ついいか?

、、、何?

お前、俺になんか隠してないか?

えっ、、、?

思いもよらぬ言葉が入ってきた。

お前、俺と昇降口で話したとき、ロクに目、合わせなかったろ?

お前昔からそうなんだよ。隠し事するとき、相手の目を見て話せない、、、

、、、、

どうやら隠しているのはばれたが、何を隠しているかは気づいていないようだ。

それを感じた私。そこへ恵の言葉がフラッシュバックする。

、、、

これはチャンス、、、なのか?

分からないけど、、、行くなら今だと思った。

で、どうなんだ?

、、、分かった。ちょっといつもの場所で話せないかな?

、、、

私達の「いつもの場所」

何回も2人で遊んだ神社。

俺は何を言われても責めるつもりはない。だから、詳しく話して欲しい。

、、、うん。

私は、すべてを話すことにした。

最近、、、好きな人、、、できてさ。

、、、好きな、、、人?

うん。それでね、その人のこと振り向かせようとしても、鈍感で馬鹿だからまったく気づいてくれなくて。

はあ、、、

そのくせ、変に洞察力鋭くてさ、ムダに親切でさ、、、

でも、なんだかんだいって、そこがいいとこ、なのかな、、、って。

、、、

だから、どうすればいいか考えてたら、だんだん分からなくなってきちゃってさ、、、

それでか、、、ついでだからきくが、、、いやなら答えなくていい。そいつ、誰だ?

、、、

誰だ、、、って?

、、、ほら、やっぱり鈍感だ。

、、、は?

気づかないでしょ?私の「あなたが好きだ」って気持ちにさ、、、

!、、、、

鈍感でムダに親切な、悟が、、、「好き」だってこと。1人の、、、男として。

、、、言ってしまった。

、、、

、、、返事がない。長い間が流れる。

内心、逃げ出したい気分だ。

、、、遥。

悟が口を開く。

俺は、恋愛なんておっくうだからよく分からない、、、だけど。

お前の気持ちに気づいてあげられなかったことは、悪いと思ってる。ごめんな、辛い思いさせて。

、、、

それで、お前の気持ち、、、、すげえ嬉しかった。

なんか、お前が、より近くにいる気がする。いや、いて欲しいんだと思う。

もし、この気持ちを「恋」というのなら、、、

俺も、お前を、、、その、、、好きだ。1人の、、、女性として。

、、、!

これが、俺の答えだ。

、、、ありがとう。私も嬉しい。

本当に嬉しかった。悟も今、私と同じ気持ちなんだな~って。

じゃあ、これからは恋人同士、、、ってこと?

、、、違うのか?

違わない!

思わずムキになってしまった。

冗談だ。やっぱりお前、、、可愛いよ。

っ、、、!

やっぱり悟には叶わないな、、、

さ、帰ろうぜ。送ってってやるからよ。

、、、うん、ありがと!

その後、私達は自分達の家へ戻っていった。

これから始まる新しい関係に、思いをはせながら、、、

おしまい

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Posted at 2012/10/05 18:37 Viewed 22 times

From Author

前回散々恵に言われた遥は、悟への気持ちを前に押しつぶされてしまいそうになりますが、、、1つのブレスレットから始まったぐだぐだ物語も、ついにクライマックスです。

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