つ、ついに。
ついに惚れ薬がわが手に!
ネットで買って以来、この日を何度待ちわびたことか。
これを正奈さんに飲ませて私を見れば…
たちまち私の虜♪
考えただけで涎が。 うふふふふふふふふふふふふふふ。
なんか変な声がする。 また怜子か?なんて近所迷惑なんだ。
おっと、ちゃんと使い方を確認しておかないと。
えーと、ペットボトルのキャップ一個分で効果は一時間か…
もうちょっと持続して欲しいですねぇ…
他には、効き目が効いている間の記憶は本人は覚えていない。
全くもって素晴らしい! 何でもやり放題ってことですね。
翌日。
お昼にしましょ! 正奈さん!
構いませんよ。
(第一段階よし!)
どうしたの?
なんでもないですよ♪ 後ジュース買ってきましたよ♪
あ、私は用意…
そうですか…
(こうすれば正奈さんは嫌とは断れないはず)
あ、あの。 私飲みますからください。
(計画通り!)
どーぞ♪
ごくっ
(飲んだ! よし後は…)
正ちゃ~ん! お弁当忘れたから少しちょうだい!
あ、うん。 いい…
・・・。
いただきま~す!
美味しい! さすが正ちゃんだね!
正ちゃん?
・・・。
あり? 食べちゃ駄目だった?
落葉香。
何?
私落葉香のこと大好きだよ。
え!? きゅ、急に何!?
迷惑?
迷惑と言うか、どう反応したらいいか解らなくて。
よかった。 嫌われたのかと思った。
でも急にどうしたの?
つまり…
落葉香は私の嫁!
え~!?
(しまった! 急に落葉香さんがやってきたから正奈さんが!)
ふう、少し遅くなったよ。
うん? 何で正奈は落葉香に抱きついてるんだ?
お姉ちゃん。 私達、結婚を前提としたお付き合いしようと思って。
・・・。
はい?
だからもう落葉香は私の嫁だから手を出さないでってこと。
・・・。
病院、行こうか。
私本気だから。
お前、何をした?
こ、こっちが聞きたいよ!
落葉香じゃないとすると、
今日もいいお天気ですねー♪
おい、何知らんぷりしてる。
・・・。
ちょっとわけを話してごらん♪ お姉さん怒らないから。
特殊な薬を使いました。
原因はお前か!
かくかく、しかじか。
なるほど。 じゃあ正奈は落葉香を見て惚れてしまったと。
一時間すれば元にはもどりますが…
確実に授業は始まる。
正ちゃん、とりあえず授業中は席が違うからまた後で…
やだ。
え?
絶対離れないから!
そ、そんなこと言われても。
いいな~。 言われたいな~。
お前は当分正奈には近づけさせないからな。
愛があれば乗り越えられる!
はぁ、とりあえず何か飲んで落ち着くか。
ごく、
あっ。
解ちゃん! 助けてよ!
ああ、まか…
・・・。
どうしたの?
ごめんなさい! 私には手に負えなくなりましたのでこれで!
はい?
・・・。
落葉香…
な、何?
愛してるぞ♪
か、解ちゃんも!?
落葉香は私のものだからお姉ちゃんは諦めて!
正奈! お前には落葉香を任せられない! だから私が幸せにする!
じゃあ落葉香に決めてもらおう。
そうだな、当然私だろうがな。
私だもん!
二人「「どっち!!」」
ど、どっちも選べないよ!
いいこと考えた。
うん?
落葉香の右半分は私のもの、左半分はお姉ちゃんのものでどう?
ナイスな提案! さすが我が妹!
それだとどうなるの?
どうってそりゃ、
うん。
二人「「これでどんな時でも三人一緒」」
誰か助けてーーー!
ふう、何とか逃げることができた。
しかしどうしよう。 一時間とは書いてあったけど、あのジュースには惚れ薬の半分は入ってるから効果が切れるのはおよそ一日、二日くらい。
・・・。
まぁいいや♪ 私が大変なわけじゃないし。