はじめまして。 私の名前は佐藤。 全国で一番多い苗字だけど、
よく『変わった子』なんて言われます♪
この『変人部』に入部したのも、 私みたいな『変わった子』に会えるかなーと思って入部しました。
みんな、よろしくね!
……って ちょっと待てぇぇぇぇぇぇぇぇッ!!
どうかなされました?
「どうかなされましたか?」じゃないわよ! もう私の頭がどうかなりそうよ!
一体全体、 どういうことよこの面子は!?
どういうこと……と言いますと?
いやだから、 部員よ部員。 私は『変人部』って聞いて入部したのよ? なのに……
直立二足歩行する謎の物体。 自称「ドッグさん」
どう見ても地蔵。 自称「花子ちゃん」
獣耳が普通に生えてる部長。 自称「大先輩」
どう考えてもおかしいでしょ! なんでごく普通に人外が高校通って部活動してるのよ!?
貴様の目は節穴か。小娘。
(えっ、今の声これが出したの? 見た目に反してすごく渋いっ!)
部室前に貼り紙が貼ってあろう。 ここは『変人部』ぞ。
「人外達が変なことしてる部活動」略して『変人部』ですからねー。
ああ、なるほどねー。 納得納得♪
って、なるかぁぁぁぁぁぁっ!!
なんで人外が日常に馴染んでるのよ!? せめてもっとこう、劇的な登場しなさいよ!
と、言われましても……。 私達は普通の人外ですし。
人外に普通も糞もないでしょう……。
でもこれだけは言えるわ――
普通、人外は高校には通わない!!
うううー……。 でもでも、私達はただ青春を謳歌したいだけなんです。
誰にも迷惑をかけないよう努めていますし、
ちゃんと受験もしましたし、 学費も払ってるんですよ?
何も知らない新入部員のあなたに、 色々否定されたくはないですっ。 ね、花子ちゃん?
ホントよねー。 新入部員が偉そうに言うとか、 マジアリエンッティ~!
じ、地蔵のくせに口調が女子高生!?
あんま舐めてっと、 あたしの元寺にチクるから。 今寺も超怖いけど、元寺はガチヤバいよ?
いやそんな「私の彼氏にチクる」みたいに言われても……。
そもそもだな小娘。
は、はい。 (ビジュアル可愛いのに雰囲気がすごい怖いわ……)
貴様は我々を貶す資格は持ち合わせていない。 なぜなら、貴様は同じ『変人』の土俵に立っておらぬからだ。
いや別にそれは関係ないんじゃ……
我に物申すか。
あ、いえ……たしかに、そうかも。 (彼?を怒らせるとヤバい。私のゴーストがそう囁くの)
さすがドッグさん! 客観的に見ても詭弁ですけど、 一気に流れが私達の側に!
そう褒めるでない。 ところで、だ。大先輩殿。
なんですか?
ここはひとつ、そこの小娘が我々とともに青春を謳歌するに足る器か。 試験してみてはいかがだろうか。
おーそれはいいですねー♪
ちょ、何を勝手なことを……
大先輩の文句は我に言え。小娘。
い、いえ。試験くらいなら、別にいいですけど……。
えー。あたし超メンドーなんですけど。マジダリエッティ。 (ぴこぴこ)
(地蔵が携帯使ってる……写メ撮っておこうかしら)
主もたまに協力せい。 暇潰しには丁度良いだろう。
(今暇潰しって言った……?)
んー。 今寺もサブ寺も都合悪いみたいだし、仕方ないから付き合ってあげるわよ。
(寺が二股?かけられてる……)
それでは決まりですね! 今日の『変人部』の活動は、
新入部員、佐藤ちゃんの 入部試験でーす!
『い――――――えぇぇぇぇい!!』
おわり そして 次回予告
はあ? 次回予告とかマジダルぽよ。 あたし今寺とデート行くから。 ドッグ、あとよろぴく。
ふむ、行ってしまったか。 仕方ないな。
『変人部』の手を逃れた佐藤を待っていたのは、また地獄だった。
破壊の後に住み着いた欲望と暴力。 百年戦争が生み出した謎の街。
悪徳と野心、頽廃と混沌とをコンクリートミキサーにかけてブチまけた、 ここはとある高校のとある部室。
次回「サブタイトルなんて考えてねーよ」 今度も佐藤と地獄に付き合ってもらう。
ま、真面目に次回予告してくださいよ~!
ご視聴、ありがとうございました!