ここに来た限りは魔王を倒してもらいますわよっ!
な、何無理なことを言ってんだよ! LEVEL1の俺に倒せるわけないじゃないか!
LEVEL1…? 何、ふざけたこと言っていますか。あなたはLEVEL99の………でなくて?
LEVEL99の…何だって?
それは……………。ま、魔王が来ます。それでは、私はこれで退散させて頂きますわ。
お、おい待てっ! 待てよ!
(……なんで、俺が魔王なんか…。なんで、俺はここにいるんだ…?)
あれ、姉ちゃん? 何で、ここに?
今日、お姉ちゃんお願いがあってね。タロに会いに来たんだ!
…お願い?
――LEVEL99の勇者を倒すと、魔王になれる――
だから、ここでくたばってもらうわ!
お、おいどういうことだよ!
そのままの意味よ。タロ君。
あら、魔王…久しぶりね。
(クラスのマドンナ・しおりさんが、魔王…?)
私もかつて、LEVEL99の勇者を倒し魔王となった。
ここは何も知らないタロ君に教えてあげるわ。
この世界の魔王は、かつての勇者よ。最初は人類に世界に絶望した勇者が魔王になったんだけれど、次第に面白がって魔王になる連中が増えたの!
そこで最初の魔王はLEVEL99になる勇者を倒した者のみが魔王になれると宣言したの。
簡単に言えば、LEVEL99の勇者狩りをした者が魔王になれるってことね。
(俺、LEVEL99の勇者になった覚えはない。倒せるはずがないのに…)
(そもそも、あのゴスロリ少女は一体誰なんだよ)
まあ、そういうこと! 覚悟しなさい!
うわぁ! おい、姉ちゃん待て!
うわあぁぁーー
…タロ君を……よくもやったね。
まだあなたは魔王ではないわ。だから…………
個人的な感情で魔王の力を使わないで欲しいわ!
そ、そ、そ、そんな個人的な感情ではな、ないわよ!
ついでだから、あなたも倒しちゃおうかしら……?
隙があるわね……………それじゃあ、あの世でね!
バンッ、ビシュ、バシッ、ドカッ
ふふっ……これで、私は最強の魔王よ!
困った人ね。しおりさんは倒さない約束だったじゃない。
あの女…魔王の力を…
言いたいことはわかるわ。でも、約束を破ったのはあなた。
粛清させて頂きます。
な、なんだい。ちょっとぐらいは……初代魔王様、お許しを。
バシーンッ、ビューン
本当に身勝手な女ね。
タロ君…………。
わ、私は大丈夫よ!
それに、タロ君だって大丈夫だわ!
本当に?
えぇ、本当に大丈夫。大丈夫だから、初代魔王様、気分を暗くしないでください!
よかったわ。しおり、ありがとう。
大変言いにくいんですが……
恋のライバルとでも言いたいんでしょ? タロ君はLEVEL99のフラグ建築士ですものね。
あの姉はともかく出会う女全てがタロ君に惚れますわ。惚れ薬でも使っているのかと思うぐらい。
女の魔王にとっては、ある意味危険な相手ですね。
そんなことより、しおりさん。タロ君の生存確認をお願いします。
は、はい。
某高校屋上にて。
タロ! 私と一緒に付き合いなさい!
断る。君とは友達関係のままがいい。
そ、そう……じゃあね。
相変わらず冷たいのね。タロ君。
う、うわっ、し、しおりさん!
昨日の件については謝るわ。ごめんなさい。
いいですよ、謝らなくて大丈夫です。
謝らなくてもいいというのなら、私は何すればいいの? 昨日の件は、初代魔王と私が企んだ罠なのに…。
しおりさんが欲しいです。
えっ!
初恋。一目惚れがしおりさんです。謝罪の変わりに付き合って下さい。
(どうしよう…初代魔王様が)
ダメですか?
そ、そ、そんなことないですぅっ!
なら大丈夫ですよね。
今から、しおりさんは俺の恋人です。






