解羅:結構歩いたが、一体どこに行こうとしてるんだろう?
会長:要追跡デスよ。
落葉香:ねえ、もうこれ脱いでもいいんじゃないかな?
解羅:それもそうだな。
会長:そろそろ暑くなってきましたデスしね。
三人「「「よいしょっと」」」
ふう、やっと自由に動ける。
慣れないことはするもんじゃないデスね。
いや、会長の提案では?
過去を振り返ってはいけないのデス! 常に未来に向かって走り続けなければいけないのデス!
すごくカッコいい台詞を言ってるのはわかるけど、なんだか納得いかない自分がいる。
おっと、ここで見失ったら水の泡だ。 追いかけるぞ。
レッツ、ゴー!
神社?
ここは正奈がよく来る神社か。 別の道があったとは。
神社によく来るって、どんな趣味デス?
正奈は昔から涼しいところを見つけるのが得意だったからな。
裏に行ったみたいだよ?
追いかけよう!
裏に行くと、
二ャ~。
唐揚げ買って来たよ。
二ャ~♡
そんなにがっつくと咽るよ。
誰も取らないから、ゆっくりお食べ。
なるほどな。
お、お姉ちゃん!? 何でここに!?
よく見ると落葉香も!? それに会長まで!?
みんなお前が心配で後をつけたんだよ。
いや、私はただ生徒会の仕事をサボるのに打ってつけ…
う、うん! 正ちゃんが心配で! 会長も心配したんだって!
んー! んー!(口を塞がれている)
ご、ごめんなさい。
無事ならそれでいいさ。 しかし猫に餌をやっていたのか。
前に来た時、たまたま見つけて。
でも普通のキャットフードを出しても食べなかったの。
それで?
何がいいかなと思って、唐揚げをあげたの。 そうしたら喜んで。
なるほど。 最近お前が夕飯は唐揚げにしたがるわけだ。
二ャ~。
なかなか可愛いじゃないか。 よしよし♪
二ャ~。
二人「「あ」」
猫は奥へ消えていった。
猫さん…
また今度くればいいさ。
その時はお姉ちゃんも一緒に行くよ。
うん。 今度は二人で。
ああ。
何やらいい話になりましたね。
いいじゃないですか。 終わりよければ全てよしって。
でももうちょっとサスペンスが欲しかったデスよ…
サスペンス?
ここにいてもなんだからそろそろ帰りましょうか。
そうだね。 ちょっと暗くなって来たしね。
生徒会の仕事もそろそろ終わるころかと思いますデス。
その後町へ戻ると、副会長が会長を連れて学校に戻って行った。 解ちゃんと正ちゃんと別れ、私も帰った。
ただいまー。
お母さん!
な、何よ。
何じゃないよ! なんで猫の真似してあんなところに居たの!
それは涼しいし、食べ物くれるし。
どうりで最近夕飯あんまり食べないと思ってたら正ちゃんから食べ物もらってたんだね! しかもお母さんの大好物の唐揚げ!
あの子、私が完全に野生の猫と勘違いしちゃってね。
もう二人を家に呼べないじゃんか!
明日お母さんの事、正ちゃんに話すから。
それは駄目よ。
どうして?
夢を壊しては駄目。 私が猫の真似してあの子が幸せならそれでいいじゃない。
娘である私の立場が不幸だよ!