崖から落ちて流されたアレスはなんとかリリーと一緒に河原までたどり着くことができた。
はあ……はあ。なんとか生きてるな
リリーちゃん大丈夫か?
リリーは大丈夫です。アレス兄さん。助けて頂き、ありがとうございますです
いや。悪いのは俺だからな。少し調子に乗りすぎた。それよりも……
(他の連中はどこまで流されていったのだろうか。無事だったらいいのだが)
グオオオ
ア……アレス兄さん?
どうした? リリーちゃん
グオオオ
アレス兄さん……怖いです
リリーちゃん。俺に任せろ。必ず生きて合流するぞ
グオオオじゃねえぞ。グオオオオオ!!!! 今日は熊鍋だああああ!
なんという防御力だ。でもここで熊なんぞに負けるわけにはいかねえ
いかん。昨日きゅうりしか食べていないから力が入らねえ
アレス兄さん。リリーに任せてくださいです
なんだって?
そう言うとリリーはまさおに向けて手をかざしたかと思うと、強烈な光を手から放出した。
グオオオオオ!
リリーちゃん……これは?
今です。アレス兄さん
分かった。まさおよ。お前に恨みは無いが、俺のために鍋になってくれ。
アレス兄さん。それは可哀想です。動けないように傷めつけてくださいです
わ、分かった。そうするよ
それはそれでひどいのではと思ったが、リリーが切実に訴えるので、アレスはそれに同意し、殺さず、ひどい目に合わせることにした。
動けないところをアレスは剣でタコ殴りにした。たまらず熊のまさおは崩れ落ちて動かなくなった。
やった。アレス兄さん。さすがです
いや。ほとんどリリーちゃんのお陰だろ
いえ、リリーなんかこんなことしかできないですので
しかし、リリーちゃんのその力はいったい?
グオオオ
リリーから先ほどの不思議な力の理由を聞こうとしたら、熊が急に起き上がった。
アレスとリリーは身構えたが、熊が仲間になりたそうに見つめているのでアレスは熊のまさおを仲間にいれてやることにした。
アレスは熊を屈服させ、テイムすることに成功した。
熊はアレスとリリーを肩に乗せてくれた。どうやら俺たちを運んでくれるようだ。
さっきのリリーの力ですけど……アレス兄さん。気持ち悪いですか?
そんなことないよ。リリーちゃん。助かったし、こんな可愛いリリーちゃんのことを気持ち悪いなんて思うことなんてないよ。どうしてそんなこと思うんだ?
でしたらいいんです。アレス兄さんありがとうございます