お姉ちゃん！ 大変！
どうした？ そんなに慌てて？
最高級うなぎをふんだんに使ったうなぎパイがこの日限定で発売だって！
何！？
それはぜひ食べたい！
でしょ！ だから二人でお金出し合って買おう！
そ、それは…
どうしたの？
じ、実は模様替えでいろいろ買ってしまってな。
残高２１８円です。
ええ！？
私もこの前、新しい洋服買ったから。
もう２８２円しかないよ。
となると、
二人合わせて、
二人「「５００円」」
二人「「バイトか」」
よし！ じゃあ私はバイトに詳しい落葉香に聞いてみよう。
でも落葉香のバイトは結構ハードだよ？
気合いがあれば大丈夫！
じゃあ私も探してみる。
ああ。
二人「「うなぎパイのために頑張ろう！！」」
正奈サイドの始まりです。
うーん、やっぱり大変そうなのしかないや。
ん？ この会社は…
すみません。
はい？
阿加井さんいますか？
社長ですか？ 社長は今…
ハニー♪ 落葉香ちゃ～ん♪
社長、ちょうどいいところに。
ん？
この方が面談したいと。
ども。
ああ、君は正奈君だね。
知り合いだから大丈夫だ。
わかりました。
社長室に来てよ。 お茶出すから。
今日は相談が合ってきたんです。
相談？
なるほど、つまりはここで働きたいと。
はい！
君は高校生だろ、バイトよりも他にやることがあるんじゃないか？
た、確かにそうなんですが…
とても欲しいものがあるのでどうしてもお金が欲しいんです！
借りるとかは駄目なの？
それは考えましたが、やはり自分のお金で手に入れたいもので。
言い心構えだ！
しかし働くってしても製品の企画などはできないだろうから空いてる所というと…
・・・清掃だけだね。
それでもいいです！
ふむ、
じゃあそれでいいよ。
ありがとうございます！ お礼に落葉香の写真を…
交渉金額は何億円！？
え？ あ、いえ。 タダでいいです。
うひょー！ 楽しみ♪
（写真売った方が早かったかも）
次の日。
よいしょ、よいしょ。
あなたがバイトの子？
あ、はい。 正奈です。
私は紫 光子（むらさき ひかりこ）。 よろしくね。
よろしく！
あ、どうしよう…
どうしたの？
どうしても手が届かなくて。
脚立持って来ます。
あんなの私がやるわ。
え！？ でも私の仕事ですし！
あなた可愛いから放っておけないわ。
あ、ありがとうございます！
・・・。
次の日。
どう？ 会社には慣れた？
まだ来て３日目ですが…
そ、そうだったわね。
そういえば自己紹介まだだったわね。 私は伏伏瑠 冨流（ぷぷる ぷる）というの。
どうも！
あ、トイレットペーパー変えないと。
後で私がやっとくから。
でも！
ちょうどトイレに行きたかったし、あなたの手が汚れちゃうでしょ。
あ、ありがとうございます！
・・・。
次の日、会議場にて。
社長！
あの清掃の女の子！
二人「「正規社員に！！」」
なんで？
あの子にわが社の製品を使ってみたいというのが話し合って出た結論です！
いや、でも～…
お願いします！ せめて一回だけでも！
うーむ、
本人に聞こう。
というわけで付き合ってやって欲しい。
は、はぁ。
じゃあ実験室に行きましょう！
え！？ 今から！？
時間は待ってくれないわ！
うわあああああああ！
・・・。
落葉香ちゃんに使いたい。
正奈の清掃バイト終了。
二人「「買ったぜ！ うなぎパイ！」」
さすがだな！ 高級うなぎを使ったうなぎパイは！
美味しいね！
給料が５千円も出たのがすごく嬉しかったよ！
私も５千円だった！
しかし隣で落葉香が泣いてた。
何でだろうね？
正奈はなにやったんだ？
阿加井さんの会社の清掃。
大変じゃなかった？
なんかわからないけどみんな優しかった。
なるほど。
それよりなんか使ったか？ いつもより輝いてるような？
会社の製品テストの実験台になったの。
とてもいいものばかりだったよ！
そうか、それならいい。
全力で食おう！
おー！
社員のモチベーションが上がって、製品の質が上がっただと！？
・・・。
今度採用の提案でも話しにいくかな！
