“『坊ちゃん』その1:キミP版”

親譲りの無鉄砲で 子供の時から損ばかりしている。

例えば、小学校にいる時。

学校の二階から飛び降りて 一週間ほど腰を抜かしたことがある

なぜそんな無闇をしたと 聞く人がいるかも知れない。

別段深い理由はない。

新築の二階から首を出していたら、 同級生の一人が冗談で、

「いくら威張っても、そこから 飛び降りることは出来まい。」

「やーい、弱虫やーい」 と、林立てたからである。

帰ってきた親父が大きな目をして

「二階から飛び降りて 腰を抜かす奴があるか」 と言ったので、俺は

「この次は  抜かさずに飛んでみせます」

と答えた。

他にも

親戚に西洋製のナイフを貰って 綺麗な刃を日にかざしていたら、

とある一人が

「光ることは光るが  切れそうもない」と云った。

「切れぬことがあるか、  何でも切ってみせる」

「そんなら君の指を切ってみろ」 と注文したから、

何だ指ぐらいこの通りだ。 と右の手の親指の甲を切ってやった

幸い、ナイフが小さいのと、 親指の骨が堅かったので、 未だに親指は手に付いている。

しかし、傷痕は死ぬまで消えぬ。

この他、いたずらはたくさんした。

親父はちっとも 俺を可愛がってくれなかった。

母は兄ばかりひいきしていた。

この兄はやに色が白くって、 芝居のマネをして女形になるのが 好きだった。

俺を見る度に 「こいつはろくなものにならない」 と親父が云った。

「乱暴で乱暴で  行く先が案じられる」 と母が云った。

なるほど、ろくなものにはならない

ご覧の通りの始末である。

ただ懲役に行かず生きているだけだ

B
e
f
p
q
r
s
K
O
Keyboard Shortcuts
  • J Next page
  • K Previous page
  • [ First page
  • ] Last page
  • E Enable/disable bubble animation
  • 0 Manual page turning
  • 1 Slow page turning
  • 2 Normal page turning
  • 3 Fast page turning
  • P Start/stop auto page turning
  • ? Show keyboard shortcuts
Play Again
More Stories
Posted at 2013/03/07 20:41 Viewed 15 times

From Author

あの有名な『坊ちゃん』をキミPで再現。宣伝用です。

Comments

Login to Write your comment